世の中には、多くのサプリメントがあります。その中で、サプリメントを摂取することは健康な身体を維持するうえで当たり前とされています。今回お話する内容は、決してサプリメントを否定する内容ではありません。まして、サプリメントを摂取することを無駄と主張する内容でもありません。
ただ、世の中には、今まで健康に対して何も取り組みをなさなかった方がサプリメントに依存にして、サプリメントですべての症状や身体の不調を改善しようと平気で考える方もいます。
このような、サプリメントに依存する発想は意味はなく、むしろ健康な身体から逸脱しているとしか思えません。絶対にこの思考をやめるようにしてください。
そして、いまサプリメントに依存している場合、できるだけ量を減らして「姿勢を正す」「運動をする」「背骨のずれを取る」「日々の食事で適切な栄養を摂取する」方向に思考を変えてください。そうでなければ、老化は一気に進み、疲れやすくなり、スポーツ・仕事ともにできない身体になっていきます。
明確な理由を以下に記します。これらの内容を読んで、サプリメントを過剰に摂取されている方は今後の摂取を見直すようにしましょう。
サプリメントは品質が悪い
一般的にサプリメントは医薬用外品に比べ、品質が低いものが多いです。医薬品は摂取した際の「副作用」が関係するために、高い品質基準、試験を設けているために、商品に「不純なもの」が入る余地が少ないです。
しかし、サプリメントは「健康商品」のために、医薬品に比べて品質基準がゆるいです。そのために、製品の品質は明確な試験ではなく、メーカーの取り組み方によって決まります。
例えば、湿度・温度・空調設備、すべてがそろった倉庫に保管されたものであれば、製品の品質は保たれるでしょう。しかし、大部分のサプリメントはこのような完璧な設備で保管されているわけではありません。そのため、日にちを置いておくと、成分の活性が失われていき、結果として適切な栄養素を必要量摂取することができなくなります。
臨床栄養学の権威である佐藤章夫氏の書籍には、サプリメントは購入時に10%の活性が失われ、そこから8カ月以上経過すると半分以上の成分の活性が失われると記載されています。
さらに、別の大学の研究によると、「サプリメントの成分表の表示量は入っている量ではない」ことも確認されています。実際には使用した量であり、製造工程の中で取り出せる量が減ります。つまり、成分表に記された量よりも、実際に摂取できる量は少なくなります。
例えば、風が引きやすい人、慢性疲労に悩まれている方であれば、ビタミンCを150~200mg以上摂取する必要があります。しかし、サプリメントを見て、ビタミンCの含まれる量を計算すると、症状改善に必要な量すら届いていない商品もよくあります。さらに、サプリメントの中で「ビタミン類」はとくに構造破壊が進みやすい物質であることもわかっています。
つまり、サプリメントを摂取したといって、身体の症状改善に必要な栄養量は現実に賄うのは無理と考えてください。もう一度まとめます。これらの内容を理解し、サプリメントはあくまで「補助」、必要なのは食事で摂取するのを意識してみてください。
・サプリメントは購入時の段階で10%の活性が減る
・8カ月以上で半分以上の活性が減る
・サプリメントだけで必要量を補うのは無理
必要量あったとしても、それが100パーセント吸収されない
摂取した栄養素が内臓・筋肉に必要量届くことで、組織の回復や活動に使われ、身体が正常にはたらきます。つまり、生物が栄養素を摂ることで、不調のない身体を構築するためには、「その栄養素をきちんと吸収する」必要があります。
そこで、サプリメントの話に戻ります。成分表に必要な栄養素の量があったとして、毎日摂取しても健康な身体を構築できません。その理由として、そのサプリメントを摂取しても、実際に身体に吸収される割合が少ないからです。
とくに、身体の不調を抱えている人の場合、背骨周りの神経、血管につまりが起こっている可能性が非常に高いです。消化不良に陥りやすい方は胸部に当たる背骨、疲労感が抜けない人は肋骨の下部にあたる背骨・その周りの筋肉に凝りが出ている可能性があります。
このような身体でいくら栄養素を摂っても内臓や筋肉に必要な栄養素がいくことはありません。どのような栄養分も必要とされる細胞に到達するためには、必ず「血管」を通らなければいけません。そして、血管を抜けて、細胞に届かないといけません。そして、その血管に栄養分を流すように、血管の収縮反応を「神経」を介して脳に指令や命令を送らなければいけません。
しかし、身体の不調を抱えている人の場合、これらの必要な部位に送るための血管や神経が「筋肉の凝り」「背骨のずれ」によって詰まりを起こしている可能性があります。もちろん、先天的な要因もありますが、それらの筋肉をほぐして、細胞に送るための血管と神経に滞りのない状態を作らなければいけません。そして、きちんと栄養分が流れないようにしなければいけません。
ただ、サプリメントに依存し、サプリメントの成分を調べすぎるばかりに、それを吸収する身体に目を向けないことがあります。この場合、いくら高いサプリメントを摂取しても、意味がありません。つまり、栄養素を摂ることと身体を鍛えたり、ケアしたりすることも重要になってくるのです。これらは自転車の両輪の関係であり、両方が機能して初めて身体に効果が表れるものと考えることができます。
サプリメントの成分で血管を詰まらせる
さらに、サプリメントの成分は、時間がたてば構造が破壊されてしまうものもあります。例えば、ビタミンA、C、Eなどは時間がたてば、構造が崩れることがわかっています。
そこで、構造を安定化させるために、少しだけ化学構造を変化させる場合があります。
例えば、ビタミンCはサプリメントとして「アスコルビン酸ナトリウム」で保存されます。成分としては安定に保たれるかもしれません。このこと自体はよいのですが、生物の体内に入ると、体内の成分と反応して、ビタミンCとして機能しなくなります。
具体的には、「アスコルビン酸ナトリウム」は血管内の糖質と反応しやすいです。糖質と反応し、構造が変わり、酵素として機能しません。さらに、このように、糖質と反応したものは、血管壁との摩擦によって、血管壁を傷つける要因となります。
もし、この事態を避けたいのであれば、できるだけ天然から抽出し、作られたサプリメントを選択する必要があります。しかし、天然であっても、途中過程で化学処理されてしまうと、化学物質が混入し、反応を起こしてしまう危険があります。
このようなリスクがあるために、「サプリメント」を主にして健康な身体を構築する思考は見直さないといけません。実際に、私が対応したお客様の中には、健康のためにサプリメントを複数買いしめて、毎日何種類以上のサプリメントを同時に摂取している人がいました。
しかし、そのような人を含め、サプリメントだけに依存している人は健康な身体を構築できていないのが事実です。そのため、サプリメントに依存するのは極力やめるようにしてください。食事でしっかり栄養を摂取し、サプリメントはどうしても必要な成分だけ補助として摂取するという思考に切り替えるのが現実的に健康な身体を構築するのに正しい判断といえます。