健康な身体のための食事法:グルテンフリーを学ぶ

年齢を重ねると様々な身体の症状に悩まされます。一般人であれば、腰痛、肩こり、肥満、慢性疲労に悩まされます。スポーツ選手であれば、怪我やパフォーマンス低下に頭を抱えます。そのような悩みを解消するために、「栄養学」を学ぶび、実践することは大切です。

栄養学というと、少し難しい印象をもたれるかもしれません。しかし、体に関して種々の問題を持たれている場合、「小麦グルテン」を抜くことで解消できます。この食事法を「グルテンフリー食事法」ともいいます。

グルテンフリー食事法とは、食品の中で「小麦」をやめる食事法であり、すでに海外では注目されている食事法です。一流スポーツ選手もこの食事法を実践して、結果を残している方もいます。あなたが生活やスポーツにおいて、身体の悩みを抱えている場合、グルテンフリー食事法の特徴と具体的な手法を学び、実践することは大切です。

では、どのように食事を変えていけばよいのでしょうか。ここでは、グルテンフリー食事法の特徴や行うべきことについて解説していきます。

グルテンフリー食事法の特徴:小腸に負担をかけない

グルテンとは、小麦の中に含まれるたんぱく質のことです。そして、小麦グルテンは小腸に到達すると、カンジタ菌のエサとなり、増殖させることがわかっています。

カンジタ菌とは、腸内に含まれる細菌であり、「日和見菌(ひよりみきん)」とも言います。日和見菌を含め、腸内には、善玉菌と悪玉菌を合わせた3種類の菌が存在しています。日和見菌は、もしも、異常に増殖しなければ腸内で悪さすることはありません。

しかし、小麦グルテンをエサに、カンジタ菌が異常増殖を起こした場合、腸の壁である腸壁を破壊します。具体的には、カンジタ菌によって、腸壁の粘膜を粗くしてしまうのです(これをリーキガット現象という)。腸の粘膜の網を粗くさせてしまうため、医学の世界では、「腸を炎症させる」とも表現することがあります。

カンジタ菌は腸壁を壊したのち、体内にあらゆる部位に流れていきます。このカンジタ菌が体内で増えていくことで、悪影響を及ぼします。

例えば、カンジタ菌が関節部に集まると、関節内に悪影響を及ぼします。カンジタ菌が関節部に集まると、関節部の炎症につながり、痛みが発生します。女性が発症しやすいリューマチや外反母趾はカンジタ菌増殖による関節部の炎症が原因として考えられます。

さらに、カンジタ菌が胃袋に流れると、胃の粘膜形成に異常を起こします。粘膜形成を阻害されると、胃袋が消化活動に悪影響を与え、消化能力が低下します。これによって、体内に必要な栄養分を効率よく吸収できなくなります。

さらに、カンジタ菌は増えたことにより、毒素が発生することがあります。これらの毒素の解毒作業のために働くのは「肝臓」です。肝臓の解毒作業が通常より多く行われるため、肝臓も疲弊します。そのほか、身体にかかるストレスに対抗するために、ストレス耐性ホルモンが副腎、脾臓、甲状腺などの器官から発生します。

こうした内臓器官は生命活動には重要な部位であり、無駄に疲弊させてはいけません。しかし、小麦グルテンを食べると、ほとんど全ての内臓器官に影響を与えてしまいます。近年、大量生産の流れによって、小麦加工食品が大量に簡単に手に入れられるようになりました。しかし、これらの物質を毎日摂取し続けると、内臓はどんどん弱っていき、怪我や不調に悩まされるようになります。

テニスの世界で世界ランク一位を獲得した選手として、ノバクジョコビッチ選手がいます。ジョコビッチ選手はトップに立てた理由として、「食事法を変えたから」とハッキリ述べています。普段体を動かしている選手であっても、摂取している食事を間違えれば、体調不調を患いやすくなるのです。

さらに、現代では、「うつ病」「慢性的疲労症候群」「肌荒れ」など、多くの症状に悩まされている人がいます。うつ病や慢性的疲労症候群は副腎からのストレス耐性ホルモンの生産量の低下、肌荒れは肝臓の解毒作用が追いつかず、皮膚の表層に毒素が回ったことで起こります。

グルテンフリー食事法は疲労、身体の痛みなど、あらゆる症状改善に優れた食事法といえます。ダイエットの世界では、カロリー制限や糖質制限ダイエット法が流行って10年程度しかたっていません。しかし、グルテンフリーは、40年前の1960年から、すでに実践されていた食事法です。

小麦製品の最大の特徴として、「安くて保存期間が長いこと」です。そして、かつて、日本は小麦を用いた製品が少なくかったです。しかし、敷地面積が広い海外で小麦製品を大量生産し、輸入することで多種多様の食品を生産することができています。現在の日本は、アメリカでの小麦製品を用いた多くの加工食品が出回るようになりました。

コンビニのお菓子を見れば、ほとんどの食品にお菓子が入っていることがわかります。米粉でできているせんべいにさえ、小麦を加工の際に使われています。安く、便利で簡単に手に入るのが小麦加工食品の大きな特徴です。しかし、それと引き換えに小麦を摂取するとあなたの内臓器官の全ての働きを破壊されます。

この事実を理解して、明日から摂取する食べ物について考えるようにしましょう。

なぜ、多くの人はグルテンフリーの重要性に気づけないのか

このように聞くと、グルテンフリー食事法は極めて優れた食事法です。しかし、多くの方はこの重要性に気づきにくいです。この理由として、小麦グルテンが体内に入ってから、実際に身体に症状が発生するのに数日かかるからです。これを免疫学の世界では、「遅延型アレルギー」と呼んでいます。

遅延型アレルギーとは、アレルギー症状の一種であり、症状が発症するまでに時間がかかります、そのため、小麦グルテンによる肥満や体の不調は、現代医療では見つけにくいです。つまり、具体的に小麦グルテンが原因で体が悪くなっていると説明しずらいために、重要性が伝わっていないのが現状です。

まず、小麦グルテンが小腸に入ることで、カンジタ菌、グラム陰性細菌が増殖します。これらの菌を撃退するための体の中では、悪をやっつけるヒーローを生産します。これを、生物学の世界では「抗体」といいます。人は、体内に入った毒素を抗体を作ることで、排除します。

しかし、小麦グルテンが入ったことによって、この抗体が多く作られすぎます。過剰に生産された抗体は毒素以外に正常な細胞に対しても攻撃にいってしまい、結果として炎症や怪我を起こします。このような現象を生物学では「アレルギー反応」「自己免疫疾患」ともいいます。

そして、アレルギー反応にもくしゃみ・かゆみ・目の充血のように早く症状が出るタイプ(即時型アレルギー)と後になって疲労や身体の不調が出始める(遅延型アレルギー)があります。小麦グルテンによって起こる症状は遅延型アレルギーに含まれるため、自分自身で気づきにくいのです。実際に毎日小麦製品を食べていて、食べた瞬間に体の調子が悪くなることはありません。

そうしたケースは少なく、なんとなく体がだるい、頭痛がする、数日後に湿疹が出るといった症状で現れます。そのため、自分の疲労や肥満が小麦グルテンから来ていると気づかないため、食べ続けてしまうのです。

今、あなたの身体はどのような状態になっていますか?若いころに比べて身体の軽さ、疲れ、気分はどうでしょうか?比較して明らかに体力や元気が低下している場合、小麦グルテンによって、腸内が完全に荒らされている危険があります。もしくは、副腎・腎臓・肝臓・胃・関節に多くの影響が出ているかもしれません。

実際に、私はグルテンフリーを食事法を実践することで、さまざまな身体の症状改善を実現できています。さらに、一緒に健康指導を行っている患者に対しては「肥満・慢性疲労・腰痛・肩こり・頭痛・体臭・アトピー」など様々な症状を完治させることができています。今、あなた体に何かしら症状が出ている場合、小麦グルテンを抜くことが、最大の近道であるといえます。

グルテンフリーの食事を始めるには

それでは、グルテンフリーの食事をするために、具体的な食事方法を解説していきます。しかし、グルテンフリーと言っても、食事は限定されるわけではありません。

基本的には小麦の製品を抜けば、問題ありません。スーパーのお惣菜などを見て、小麦が使われていない食品を探せば、問題ありません。

例えば、生の野菜はどうでしょうか?野菜であれば小麦を使っていません。肉であれば、生肉も小麦を使っていません。一人暮らしの男性であれば、コンビニのおでんのコーナーを見れば、小麦を抜いて様々な食品を探すことができます。

以下に、グルテンフリーの食生活を進める上で、抜いておきたい食品について記します。

・パン
ハンバーガーのパン、サンドイッチなどに含まれているパンはグルテンが含まれています。

・うどん、そばなどの麺類
このような麺類は基本避けましょう。パスタも小麦が入っています。麺類で入っていない食品としては「しらたき」があります。しらたきはコンニャクでできているため、ビタミンも豊富です。これからは、小麦パスタではなく、グルテンフリーパスタかしらたきに変えてください。

・ケーキ類
ケーキには、クリームとスポンジと別れていて、スポンジが小麦に含まれています。スナック類などのお菓子にもグルテンが含まれています。

・朝食でよく使用されるもの
シリアル、コーンフレーク類、無加糖製品も含まれます。

・ビール、他麦芽から蒸留されたアルコール飲料
ビールは盲点ですが、小麦がたっぷり入っています。一部のワイン、ウォッカも小麦から蒸留されています。

注意すべき、小麦グルテンが含まれている食品

小麦グルテンは食品を加工する際に非常に便利な食材です。そのため、他のあらゆる食品に含まれており、気づかずに摂取している危険があります。そのため、以下のような食品も気をつけて小麦グルテンを回避するようにしてください。

・肉の詰め物
例えば、肉の冷凍食品には小麦加工食品が多いです。スーパーに行くと、ただのお肉と肉の冷凍食品があります。冷凍食品を見ると、保存料、着色料だけでなく小麦グルテンも含まれています。そのため、摂取しないようにしてください。

・マリネ、調味料
ステーキ屋さんなどで、ステーキソースを選択する際、小麦グルテンが含まれている可能性があります。マリネも見た目や野菜で構成されているように見えますが、小麦グルテンが入っているものもあります。

・一部の乳製品
乳製品も必ず成分表示を見るようにしてください。その中には、小麦グルテンが含まれているものもあります。ピーナッツバター、チーズなどの成分表を見て、小麦グルテンが含まれていないものを選択します。

・一部の果物、野菜
ファーストフードのフライドポテトには小麦が使われています。市販で売られているドレッシングやサラダなどにも含まれる可能性があります。ドライフルーツの場合、コーティングの際に米粉を使用される場合があります。

・デザート類
ドーナッツは小麦が入っているので摂取をやめましょう。また、アイスクリームも商品によっては小麦グルテンが含まれています。

・揚げ物
揚げ物は揚げる際に小麦を使います。基本的に全て避けてください。また、調理の際に使用している油が酸化していると、血管を傷つける作用もあるため、健康にもあまり良くありません。

最低でも2週間続ける

そして、グルテンフリーの食事法の続ける期間は最低でも2週間は続ける必要があります。2週間続けていって、早い場合、2,3日で身体に変化が現れるのを体感できます。私の場合、初めて2日で身体が軽くなり、朝の目覚めが良くなったことがわかっています。

2週間続ける理由として、腸内細菌の環境を整えることが挙げられます。小麦製品を食べ続けた食生活では、すでにカンジタ菌やグラム陰性細菌などが大量に居座っている状態になっています。まずは、これらの発生を物理的に抑えなければいけません。

そこで、野菜の食物繊維など、小麦グルテンの含まれていない食事を続け、悪玉菌を減らし、善玉菌を補充していきます。それによって、腸内で悪玉菌の割合が少なくなっていき、腸内環境が改善されていきます。この期間には2週間程度が必要です。そして、2週間続けたら、少し小麦製品を摂取しても問題ありません。

以上の内容を実践することで、グルテンフリー食事法を実践できます。しかし、上記した食品はほんの一部にすぎず、実際にはほとんどの食品に小麦が含まれています。

まずは、上記の商品に小麦が含まれているのを理解して、まずは該当する食品を削ってください。できれば、スーパーやコンビニにある食品の成分表を観察する癖を身につけることも大切です。そのように意識していけば、小麦グルテンを含んだ食事を確実にやめることにつながります。

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