令和版「メンタル強い人」の定義と具体的に鍛えるべき部位を解説

 

 

現代は「メンタルが強い」とはどういうことなのか、その意味自体が大きく変わってきています。かつての常識では、辛いことにも理不尽なことにも動じず、いつも冷静に仕事をこなせる人こそが「強い」とされていました。

しかし、私たちが生きるこの「令和」の時代では、その定義はもう通用しません。

平成の「メンタルが強い人」は“体力勝負”だった

平成時代における「強さ」とは、実のところ“体力”や“内臓の強さ”に支えられたものでした。たとえば、緊張に強い人は「胃が強い」、長時間動き続けられる人は「腎臓が強い」とされてきました。

ブラック企業で求められるような「考える前に動け」「足で稼げ」といったスタイルも、まさに体力頼みの精神論です。「とにかく動き続ける」ことがメンタルの強さと結びつけられていた時代だったのです。

ですが、これはもう通用しません。

令和では「考えすぎて動けない」人が増えている

現代は、ただ頑張れば報われるとは限らない時代です。コロナ禍を経て、いくら頑張っても飲食店の売上が立たないという現実を、多くの人が目の当たりにしました。努力しても報われない場面が増えた今、ただ行動するだけでは意味がない場面が増えているのです。

そして、多くの人が陥っているのは、「考えすぎて動けなくなる」状態です。

SNSや情報社会の影響で、失敗のリスクや将来の不安が見えすぎてしまう。それによって、行動する前に「どうせ無理なんじゃないか」と思ってしまうのです。

令和に必要な「メンタルの強さ」とは、柔軟性である

これからの時代、本当に求められるメンタルの強さとは、「柔軟性」です。

言い換えれば、“考えすぎによって動けなくなる自分をリセットできる力”とも言えます。未来を心配しすぎたり、過去の失敗に縛られたりして脳にブレーキがかかると、体は動きません。

このブレーキを外せるかどうか。それが令和における「メンタルの強さ」なのです。

キーは「脳の前側」——前帯状皮質の落ち着き

脳科学的に見ると、考えすぎてしまう人は「脳の前側(前帯状皮質)」が過剰に働いています。この部分が活性化しすぎると、未来の不安を過剰に予測し、動けなくなるのです。

逆に言えば、ここを落ち着かせることができれば、「柔軟に、今必要な行動ができる自分」に変わることができます。

たとえば、頭が下がると人は過去のことを考えやすくなり、頭が上がると未来のことを考えやすくなる。これは姿勢とメンタルが深くつながっている証拠でもあります。

弓道に見る「考えない動き」の大切さ

私が実践している弓道でも、この「柔軟性」は極めて重要です。弓を引く動作の中で、「ああしよう、こうしよう」と理屈で頭を使いすぎると、動きがぎこちなくなり、うまく的に当たりません。

むしろ、犬や猫のように直感的で、感覚でスッと動ける動作の方が、結果的に的を射抜くのです。

つまり、「考えてから動く」ではなく、「考えずに自然と動ける体」が、現代を生きるうえで必要なのです。

未来に対応できるか、それが「本当の強さ」

会社のやり方が変わる、環境が変わる、価値観が変わる。そんな時代だからこそ、頑張る方向を間違えずに、変化に応じて柔軟に対応できることが、本当の意味での“強さ”です。

「これまでのやり方では通用しない」その現実に直面したとき、「それでも新しい方法で進んでみよう」と思えるかどうか。

令和のメンタルの強さとは、未来を柔軟に受け入れ、行動に移せるしなやかさのことなのです。


次回は、この「脳の前側を落ち着かせる方法」や「考えすぎない状態を作る具体的な体の使い方」について、より詳しく解説していきます。

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