肩凝りや腰痛に悩まされ、日常生活でストレスを抱えている人は多くいます。そして、世の中には多くの健康法がある中で、重要な要素があることがわかります。それは、「姿勢」です。
年齢が70歳を越えても、若い人に見劣りせず動ける武道家は口をそろえて「姿勢が大事」といいます。当治療所では、肩こりを改善するために行うべきことが紹介されます。指圧法や体操法を行うことで、確実に、肩こりを解消することができます。
ただ、肩凝りを本質的に解消し、だるくしんどい感覚から永遠におさらばしたい場合は、「姿勢」と「栄養」にも気を遣うようにしてください。この二つのことを勉強し、実践することで、肩こりに悩まされなくなります。
この二つのことを行うことは、そこまで難しくありません。姿勢に関しては三つの要素を、栄養では取るべきれることで、見た目も大きく変わり、身体に負担のない姿勢を構築できます。そのため、今肩凝りに悩まされている方はぜひ、積極的に実践するようにしてください。
肩凝り解消に必須な姿勢の3要素
では、肩こりを直すために必要な姿勢の整え方について解説します。具体的には「少し頭部を引いて首の後ろを伸ばす」「腹圧をかける」「お尻をしめる」ことを行います。
少し頭部を引いて首の後ろを伸ばす
まず、人差し指を自分の唇に当てましょう。「シー」のポーズを取って、上半身の力を抜きます。この後に、人差し指を体の方向に押し当てて頭部を後ろに引くようにしてください。
このときの頭部を引く目安として、鼻さきと下腹(おへそ)」が垂直に交わるくらいにします。すると、首の後ろの筋肉が伸ばされ、背筋の伸びた姿勢となります。
首の後ろの筋肉は「後頭下筋群」と呼ばれる筋肉があります。この筋肉が伸ばされず、ゆるんだ状態であると、頭部を支える筋肉がなくなるため、肩や首の筋肉で支えようとします。すると、肩や首の筋肉に凝りが起こり、首周りの神経が圧迫されます。身体
そのため、立位や座位における「頭部」の位置は肩凝り解消のための重要な要素となります。さらに、見た目の姿勢にも大きく影響する場所でもあるので、意識して頭部を引くようにしましょう。
腹圧をかける
立っている姿勢や座っている姿勢でも良いので、少しお腹をへこますようにしましょう。その次に、みぞおちの位置を上方に上げるようにします。すると、腰から胸郭にかけての背骨が伸ばされるのがわかります。
このときは、意識的にお腹をへこまして腹部の筋肉を伸ばしても良いし、帯やてぬぐいを体に巻いても構いません。これを行うだけでも、肩へかかる負担が大幅に軽減できます。腹圧をかけることで、背骨の歪み、骨盤の傾きを矯正することができます。肩への負担や良い姿勢を構築したいのであれば、気にかけて行うべき動作といえます。
お尻の筋肉を締める
立った姿勢で、少し両足先を開くようにしましょう。すると、お尻の筋肉を締めやすくなります。これは、足を外に広げると、「外旋筋」と呼ばれる腰骨付近についた筋肉が働くからです。
両足先を60度に開いて立つようにすると、外旋筋が働き、お尻の筋肉を締めて立つことができます。背中や胸の筋肉には一切力を入れず、腹圧と尻を締める筋肉によって上半身を支えることができるようになってください。これができるようになれば、肩凝りに悩まされず生活することは容易になります。
そのため、見た目がキレイでかつ肩に負担のない姿勢に必要な筋肉を理解する必要があります。それは、首の後ろの筋肉、お腹をへこませる腹圧、お尻を締める筋肉にあります。これらの筋肉の重要性を理解した上で、肩に負担のない姿勢を構築できるようにしましょう。
三つの筋肉を働かせることで、肩凝りがなくなる理由
以上の三つを満たすことで、肩こりになりにくい姿勢を構築することができます。この理由として、三つのことを行うことで、背中が丸まった猫背姿勢が改善されるからです。猫背姿勢になる要因として、「頭部」が前に出すぎることが挙げられます。上記した三つの筋肉を働かせることで、普段の生活での猫背姿勢を防ぐことができます。
頭の位置が前方に出ると、肩関節も一緒に前に出やすくなります。この姿勢では、上半身が自然と前屈するため、肩・首の筋肉に凝りが出てしまいます。人の頭の重量は4、5kgあり、頭が前方に10cm動くと、肩や背中にかかる負担は数倍上がると言われています。PCやスマートフォンを使うときは、特に頭が前に出やすくなり、肩こりになりやすいといえます。
ただ、こうした原因は「首の後ろを伸ばす」「おなかをへこます」「お尻を締める」ことによって、解消されます。実際に行うとわかりますが、頭部が前方に出やすいのは骨盤の位置が不安定になっているからとわかります。骨盤が前傾すると、上半身全体が前かがみになってしまうため、その上体を真っすぐに正す際に首の後ろに力が入ります。反対に骨盤が後傾すると、背骨全体が丸まってしまい、頂点に位置する頸椎は前に出てしまいます。
このように、骨盤が前や後ろに傾かないように腹部と臀部の筋肉を締める意識を持つことが大切です。さらに、意識的にアゴを引く心をもつようにすれば、頭部も前方に出にくくなります。普段から肩に負担のかからない姿勢を意識することで、慢性的な肩こりから解放することができます。
武道の達人が年齢を重ねても衰えない理由
武道の世界では、年齢を重ねても若い人と見劣りしない動きを実現できる方がいます。そのような方は、歳をとっても相手を投げたり、剣・弓を使いこなすことができます。当然ですが、肩こりや腰痛といった症状を抱えることはありません。
このように、武道の達人に怪我や不調がないのは上記した姿勢を常に意識して行えているからです。少ない力で相手を投げたり、押したりするためには、上記した「武道の姿勢」を構築しなければならないからです。
そのため、あなたが本当に肩こりを解消したい、加えてあらゆる症状を改善したい場合は、医者や整体師ではなく武道家の動きや姿勢を参考にすることが大切です。武道家は身体に負担がない姿勢の状態を理解し、実生活で生かすことができています。これらの内容を実践していくことで、本質的な肩こり解消につながっていくのです。
姿勢改善に必要な二つの筋肉のほぐし方
ただ、上記した内容を実践しようとしても、首の後ろや腰が痛くなってしまう危険があります。そうした方の場合、姿勢改善に合わせて太もも前側・お尻の筋肉をほぐす体操を行うようにしましょう。
この理由として、太もも前側の筋肉とお尻の筋肉が凝ると、骨盤の位置が不安定になるからです。太もも前側の筋肉が凝ると、膝がきちんと伸びずらくなり、お尻の筋肉が凝ると、骨盤が前に歪みやすくなります。すると、肩こりに悩まされる可能性があります。
まずは、この部位からほぐすようにしましょう。太ももの前側の筋肉をほぐすには、まず正座をします。次に、どちらか片方の足を前に伸ばし、もう片方の脚を少しだけ外側に出します。この状態で後ろに上体を倒し、あおむけに寝ます。すると、太ももの前側の筋肉が伸ばされます。
次にお尻の筋肉を伸ばしてみましょう。まず、座った姿勢から、両足組みます。次に、膝が立てている方の膝をつかみ、自分の体に引き寄せてみてください。すると、お尻周りの筋肉が伸ばされるのがわかります。
二つの筋肉に注目し、まずはあなたの柔軟度をチェックしてみてください。すると、筋肉が固いことが体感できたはずです。これらの筋肉の柔軟性を高めて、普段の立ち姿勢を変える準備をおこないましょう。
最後に立ち姿勢において、もっとも簡単に肩が力みにくい姿勢を取るには「60度に脚を踏み開き、軽くお腹をへこませる」姿勢を取ります。すると、膝が力みなく伸びてお尻の筋肉が締まりやすくなります。これによって、肩周りの筋肉が力みにくくなり、結果として肩の凝りの解消につながっていきます。
肩周りの筋肉の凝りをほぐす手法は肩だけにとどまりません。あらゆる部位に目を向けることで、肩の凝りをなくすポイントが見えてきます。こうした内容に理解して、一時的ではなく、継続的に健康を維持することに心がけ、仕事に集中してください。