日々、仕事やスポーツを続けていく上で、「衰えない身体」を考えていくことは大切です。健康に気を使い、鍛えるべき筋肉を鍛え、日々体に良い生活習慣を務めていくことで、筋力や体力が衰えにくくなります。
そこで、筋肉の中でも、腰方形筋をほぐすことが重要となってきます。腰方形筋は、肋骨と骨盤の間にかけてついている筋肉であり、動きの中で使えるようにしていくことで、身体の動きの負担を大幅になくすことができます。それによって、仕事やスポーツで大きくパフォーマンスを伸ばすことができます。
ただ、腰方形筋を活用するといっても、いまいちピンとこないかもしれません。その理由として、ほとんどの方が腰方形筋以外の筋肉を活用して、スポーツや動作を行うからです。ただ、そのため、最初は腰方形筋の重要性を理解し、具体的に動きの中でできるようにするにはどのようにすればよいでしょうか?今回は、腰方形筋の使い方について詳細を解説していきます。
肩関節・胸鎖関節を使って動作を行うと体の負担が大きい
動作を行う際に、使う筋肉が異なるだけで同じ動きでも負担が少ないことがわかります。具体的には、肩・胸鎖関節を使うのではなく、腰方形筋を使って動作を行うようにすると、カラダに負担なく動作を行えるのです。
例えば、「歩く」動作について考えていきます。ここで歩く際に二つの意識をもって歩き動作を行ってもらいます。まず、歩く際に腕を振ったり胸をねじったりして歩いてみましょう。すると、肩、胸の関節が動くことで、歩き動作が行われます。
この歩き動作を行うと、肩や胸鎖関節が動くことで、上半身の重心が前方に動き、歩き動作になります。しかし、この体の使い方の欠点として、肩と胸関節が動きすぎてしまうため、心臓や肝臓といった部位が動きすぎてしまいます。この動作を続けていると、身体に負担がかかり、早く疲れてしまいます。
肩関節と胸鎖関節は人の関節の中でもあらゆる方向に動く関節です。そのために、動作中に意識しやすいというメリットを持っています。しかし、デメリットとしては、関節が動きすぎてしまうために、下半身の筋肉や関節とうまく連動して活用できないことです。
腰方形筋を使って動作を行う
そこで、次に胸と肩関節を動かさずに「みぞおちを前に出す意識」を強めて歩き動作を行ってみましょう。すると、さきほどの歩き動作より、太ももの付け根の筋肉を強く意識して歩くことができます。さらに、肩・胸の関節が動きすぎず、歩き動作ができているのがわかります。
これは、歩き動作で背中や太ももの付け根の筋肉を活用して歩けているのがわかります。さらに、動作中における上半身の前後左右のぶれが少なくなるため、内臓や筋肉の負担が少なくなります。加えて、肩・胸関節の筋肉を使わずに動作を行うために、無駄な力みなく・かつ動作が楽に行えます。
プロのスポーツ選手の動きを見ると、上手い人はスポーツ動作で腰方形筋を活用して動けているのがわかります。例えば、世界一のバスケットボールプレーヤーといわれるマイケルジョーダン選手は、右ドライブを行う際に、胸と肩関節にぶれがほとんどありません。野球の世界でも、コントロールの良い投手を見ると、肩関節と首関節に余計なねじれなく投げれています。
このような動作を行うためには、肩関節、胸鎖関節を必要以上に動かすのをやめなければいけません。つまり、腰方形筋を活用することで、結果的に上半身全体が動いて、動作が行われていると解釈しする必要があります。腰方形筋は体を「反らす・屈ませる」「体を傾ける」「ひねる」際に働く筋肉です。つまり、筋肉の観点で話すと、ほとんどすべてのスポーツの動作を肩・胸関節を使わずに、腰方形筋を活用することで動作ができると考えられます。
腰方形筋を活用することで、筋肉・内臓の負担が軽減されます。これによって、仕事でも、スポーツでのパフォーマンス向上につながっていくのです。
腰方形筋を動作中には硬くなりやすい
そして、腰方形筋は身体の筋肉の中でストレスを持ちやすい特徴があります。特に、現代人は腰方形筋が硬くなりやすく、スポーツパフォーマンスの低下も、身体の疲れも腰方形筋から来ていると考えられます。
筋肉のストレスの受け方として、「運動のしすぎ」「姿勢不良」「内臓疲労」があります。腰方形筋は、骨盤の角度を決めるのにかかわる筋肉であり、さらに近くに「腎臓」「副腎」といった内臓器官があります。このような特徴から、腰方形筋は姿勢の崩れや内臓疲労など硬くなりやすい原因を持ちます。
現代人の場合、仕事や生活習慣によって姿勢が崩れている可能性があります。武道の観点から、正しい姿勢とは「顎が引かれ、胸が開いて、骨盤が垂直に立った」状態です。しかし、多くの人は普段の姿勢は胸が縮んでいたり、骨盤が前に傾きすぎたりしています。そのため、腰方形筋が縮んだ状態になりやすいです。
さらに、日々の生活でストレスを抱えると、腎臓の負担が大きくなったり、副腎から生産されるホルモンの量が多くなったりします。このように、内臓器官が疲弊すると、関連する筋肉も硬くなることがわかっています。そのため、腰方形筋は疲弊しやすく、凝りやすい筋肉であると理解するようにしてください。
腰方形筋をゆるめる手法は、他の記事でも多く紹介されています。もし、現段階で腰方形筋が硬い場合は、腰方形筋をほぐすことに注力を置くようにしましょう。
肩甲骨・股関節をゆるめただけではスポーツ動作は向上しない
そして、スポーツの世界では、「スポーツ動作は肩甲骨・股関節周りの筋肉を柔軟にすべき」という話があります。加えて、大手のスポーツジム、整体員の世界、マッサージの世界であっても、二つの部位の筋肉の柔軟性を高めることを推奨します。
確かに、肩甲骨・股関節回りの筋肉を柔軟にすることで、体が今までより動かしやすくなることは間違いありません。しかし、現実的に仕事・スポーツでパフォーマンスを高めるのには、腰方形筋をゆるめ、使えるようにすることが先決であると考えています。
なぜなら、肩甲骨・股関節以上に、腰方形筋は硬く、凝りやすい筋肉であるからです。実際に、私はこれまで多種多様のスポーツ経験者に運動指導をした経験があります。その中で肩甲骨・股関節が柔らかい人は少数いました。しかし、そのような人に腰方形筋を指圧しようとすると、ほとんどの方が硬く、痛がることがありました。
スポーツの世界では、肩甲骨・股関節周りの筋肉は硬くなりやすいと言われいます。しかし、腰方形筋は姿勢不良・内臓疲労からの疲労もあり、二つの部位以上に凝りやすいといえます。そのため、スポーツで実力を伸ばしたい、仕事でパフォーマンスを高めたいと思うのであれば、まず腰方形筋をゆるめることを先に行うようにしましょう。
腰方形筋を様々な場面で活用しよう
例えば、当治療所では、腰方形筋の凝りを取り去る指圧を行い、腰方形筋を動作中に動かしやすくします。そのうえで、スポーツの動きを指導していくことで、確実にスポーツ技術の向上を実現することができます。
そして、スポーツ動作で腰方形筋を使えるようにするためには、各スポーツ・場面によって異なるとレーニングを行います。あなたが、日常生活で仕事・スポーツでパフォーマンス向上を実現したいのであれば、腰方形筋を意識し、活用できるようにしてください。以下に、さまざまなシーンで腰方形筋を活用する具体的な練習法について解説していきます。
ジョギング・ランニングで腰方形筋を活用する
まず、ランニングで腰方形筋を使うためには、今までの走り動作とは違う筋肉の使い方をしなければいけません。そこで、おススメとなるのが「後ろ向きに走る」ことです。後ろ走りを行うと、腹部から胸の筋肉が伸ばされて、背中の筋肉が自然と縮みます。これによって、腰方形筋に多く血液が流れるようになり、凝りがとれていきます。
ランニングの世界では、腰・膝の痛み、ハムストリングスの痛みに悩まされている人が多いです。これらの痛みの原因は腰方形筋が縮み、骨盤が前傾することでなりやすいです。もし、後ろ走りを活用すれば、骨盤が前傾から垂直に立つようになり、腰方形筋が縮んだ状態から修正することができます。
マラソンを健康運動にしたければ、ランニング動作を後ろ走りを活用するようにしましょう。ランニング中に腰方形筋の凝りがなくなり、走り姿勢が整います。
野球・ゴルフ・テニスで腰方形筋を活用する
これら三つのスポーツ動作に共通することが体をひねる動作を行うことです。したがって、毎日スイング動作を続けていれば、腰方形筋が縮んで使えないということはありません。
ただ、これらのスポーツであっても意識したいのが「いつもスイングしている側と反対側のスイング動作を積極的に取り入れる」ことです。例えば、野球で右打ちの場合、左側でスイング動作を積極的に行います。
これを行わなければ、いつも使っている側の腰方形筋が縮みやすくなり、身体の左右にねじれが起こります。身体の重心の位置が左右のどちらかに偏ってしまい、骨盤の角度・胸部の位置など様々な箇所に影響が出ます。左右差の違い、重心の位置を整えるためにも、いつもひねっている方と逆側にひねるようにトレーニングを行うようにするとよいです。
デスクワークで腰方形筋を活用する
最後に、腰方形筋を活用したい場面として「デスクワーク」があります。現代人はデスクワーク中で過度なストレスや負担が身体にかかり、腰方形筋が強く凝ってしまいます。腰方形筋は一度凝るとなかなか元に戻すのが困難な筋肉です。そこで、普段のデスクワークで腰方形筋のつまりを取るようにしましょう。
そこで、座り作業で行いたいトレーニング法として、「後ろにそらす」ことが挙げられます。仕事中に、肋骨と骨盤の間に親指を当てます。次に、後ろにそらすようにしてください。すると、胸の筋肉が伸ばされ、後ろの腰方形筋が指圧されます。休憩時間や仕事中に積極的に「後ろにそらす」運動を入れることで、腰方形筋が使われ、負担が少なくなります。
デスクワーク中心の方が足りない運動として、「後ろにそらす」運動が挙げられます。常にパソコンを見て作業をしているため、前に屈むことは強く行われます。このように前にかがんだ状態が癖づいてしまうと、腰方形筋に負担がかかりすぎてしまいます。そのため、普段の生活で意識して「後ろにそらす」運動を行うようにしてください。
このように、スポーツの中で腰方形筋が使われるようにトレーニング方法を変えると、パフォーマンスを向上させることができます。実際に、私は「後ろにそらす」運動を毎日積極的に入れたことで、水泳とジョギングにおける上半身の力みが大幅に軽減され、タイムが大幅に更新することができました。仕事においても、集中力が持続するようになり、仕事量が向上しています。
さらに、健康指導を行っている患者にも、同様に腰方形筋をゆるめる運動・体操法を実践してもらうことで、症状や身体の痛みを改善することに成功しています。つまり、腰方形筋をゆるめることは、
このように、仕事やスポーツでパフォーマンス向上をしていくには、「腰方形筋」をゆるめることが大切です。普段から、腰方形筋を活用することを意識するようにしましょう。それによって、さらにパフォーマンス向上につなげることができます。
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