「眼」を緩めなければ、全身の筋肉は緩んでこない

スポーツ関係者の多くは動作改善を行う際に、「肩甲骨・股関節」の働きについて理解しようとします。体幹トレーニング、初動負荷トレーニング、骨ストレッチ、古武術など世の中にはありとあらゆるスポーツに役に立つ身体の使い方にまつわる理論が生み出されてきました。

私自身全ての上記したスポーツ理論に対してお金を払い、年単位のレベルで理論を体験しました。そして、セミナーでは上記した内容を学んだ上で来られたスポーツ関係者と多数会い、一緒に身体の動かし方を体感しました。

そうした体験でわかったことが、肩甲骨・股関節を鍛えても、
その動かし方をいくら学んでも、「身体自身の筋肉にすでに凝りが出ており、緊張しやすい体質」になってしまっている状態では、無駄であることです。

実際に、私の元にスポーツ指導を行った方で「肩甲骨・股関節の動かし方をたくさん学んできました。いろんな講習会にいきました、ただ、その具体的な活かし方がわかりません。」と嘆く方が多くいます。

この場合、「既存のスポーツの常識は使えず、むしろ別の方法によって、身体の使い方を変えることが大切であると考えています。

その場合、弓道の世界に基づく、精神を合理的に抑える手法について学習してください。

頭を少し後ろに下げて、目線を上げる

弓道では、弓の抵抗力に負けない姿勢を作るために、「胴づくり」という動作を行います。ただ、実際には、姿勢を整える際に、細部にわたり、制約があることがわかります。

その中に、「目線の位置」の重要性を説いた文章があり、その文章には「目線と変えると、腕や肩、胸・腹部の筋肉に意識が行き過ぎてしまい、力みが起こる」と記されています。

弓道の世界では「心眼」という言葉があるように、「目」と「心」が密接につながっていると説いています。これは、眼球を動かす神経が頸椎(首の背骨)にかけてついており、眼を動かすと、その神経が働くからです。

そして、頸椎には自律神経系と呼ばれる、興奮時、静止時に働く神経があります。この神経の働きのバランスが崩れると人は精神状態に大きく起伏が現れます。つまり、眼球の筋肉を凝ることは、頸椎が凝ることにつながり、精神状態に異常が起こります。

そして、あなたが身体に正常な状態で無駄な力みなく、動作を行いたいのであれば、肩甲骨・股関節より先に、「目」の働きを学ぶようにしてください。

まず、凝りを取り去ることを考えましょう

さらに、当健康所では、頸椎の伸ばし方から、目線の置き方、凝りを取り去る方法まで実践していただきます。その中で、一番最初にできることは、「眼自体の眼球の凝りを取り去る」ことです。

毎日続けていくことで、上半身に無意識に出ていた力みが少しずつ取れていきます。1~3日、5分とはいわず、何カ月もかけて、できれば目自体を大切にする気持ちで方法を學ぶようにしてください。

【眼球の力みの取り方】

①眼球と眼球周りの骨との隙間を、指を痛くない程度に押す
②少しずつ指圧する力を高めていき、痛気持ちいい程度にとどめる
③その状態から、眼球を上下左右に動かしてみる
④眼球と骨の隙間の押す場所を変えて、最終的にすべての周りを押すようにする

①~④の動作を行うことで、効率よく眼の筋肉の凝りを取り去ることができます。このトレーニングを毎日続けるようにしましょう。

ほとんどのスポーツ選手に言える欠点が胴体の動きばかりにとらわれて、眼や耳といった感覚器の重要性を理解していないことです。これらの部位は「意識」「精神状態」といった心理学的要素を含んだ重要な部位といえます。

これらの部位をおろそかにしては、実際のスポーツで学んだ内容が使えなくなってしまう危険があるため、総合的に身体を学び、トレーニングやスポーツに励むようにしましょう。

胴づくりも意識してください

そして、次に胴体における頭部のすえ方を学ぶことが大切です。普段の姿勢で上半身の無駄な力みを取るために、首を伸ばして肩を落とします。

このとき、首の筋肉が楽になって頭を動かしやすくなれば問題ありません。さらに、頭を後ろに少しずらし、目線を上げたり下げたりしましょう。

自分の頭を体の中心に入れるようなイメージです。この姿勢から、眼・首の動きを変えることで具体的にスポーツ技術向上へつなげることができます。

目線・首の位置を変えてスポーツの技術が伸びる理由

例えば、弓道においては、首の後ろを伸ばし、眼を半分開けたように(これを半眼という)します。

この状態で弓を引く動作を行うと、一般人が引いている弓の2倍近く強い弓を引くことができます。さらに、マラソンであれば、一歩一歩の着地衝撃が少なくなり、長く楽に走ることができます。

その理由として、頭の位置を後ろに下げると、眼球周りの筋肉が楽になり、自律神経系が安定することが考えられます。

実際に、景色を薄く見るようにすると、はっきり見ているときに比べて、無駄な力みがなくなったような感覚を得ることができます。眼球を薄くみるようにし、眼球周りの筋肉をゆるめると、連動して首・横隔膜・太ももの付け根の筋肉がゆるむことがわかっています。

人の眼は、目線やそのときの意識によって、眼球自体の筋肉が凝ります。頭の位置を後ろに引いて目線を上げると首の筋肉がさらに上方に伸び、背筋を上へと伸ばしやすくなります。

ここで、頭が前に出てしまうと、首の筋肉が固くなります。すると、背中の筋肉を伸ばすことができず、頭部の重さを支えるために固くなってしまいます。
その結果、腰に負担がかかり、胸や肩周りも緊張しやすくなります。

眼球の力みを体感する実験 

例えば、床に落ちている物を取ろうとしましょう。すると、大半の人は腰に負担がかかるのがわかります。この理由として、下に落ちたものを取るとき、多くの人は「目」で取りに行こうとするからです。

そのようにすると、頭が前に出てしまい、腰に負担がかかります。一方、頭の位置をそのままにして腰を落とし、目線だけ下に向けて物を取るようにしてください。すると、身体に力みなく物を取ることができます。

私自身、弓道であらゆる体の使い方を試してきましたが、弓の引き方が劇的に向上したのは目線を変えたときでした。

ある日の稽古の時に、目線を変えた瞬間に、今まで気づかなかった腕や肩の力みに気づいたのです。そうして、眼の重要性を調べていくうちに、「眼」は「肩・腕の筋肉」と関係していることを理解し、さらには、「精神」とも関連していることがわかりました。

スポーツの運動技術をさらに向上させたいなら、頭を引いて目線を変えてみてください。より、首と背中の筋肉がリラックスして、今までより、あらゆる動きがやりやすくなります。

既存のスポーツの世界ではなく、「弓道」の概念が入ることで、今までにない技術の伸ばし方がわかってくるのです。

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