日々の生活で肩の負担を9割軽減させる7つの習慣

肩こりは、「肩周りの筋肉の血流低下」「姿勢不良」「体内毒素の滞留」などによって生じます。そのため、治療だけでなく自分自身のセルフケアも実践していく必要があります。毎日肩に負担をかけない行動を続けていくことで、あなたの肩こり症状は改善されていきます。

そこで、今回は日々の生活で実践するための7つの行動について解説していきます。肩こり持ちの方は毎日実践するようにしましょう。

1:外出時、常に上腕は外に開くように意識する

腕の中で、肩の付け根から肘にかけての部分を「上腕」と言います。上腕は、内側と外側に回旋できますが、内側に回すと肩回りの筋肉が凝りやすくなります。腕を内側に回すと、首から肩にかけてついている僧帽筋(そうぼうきん)が張り、肩回りの血流を滞らせます。

僧帽筋に余計な凝りが出ないように、上腕は「外に開く」ように意識します。これだけで両肩の上がりは消えます。歩くとき、座っているとき、パソコン作業をしているとき、スマートフォンをいじるとき、常に上腕は外に開くようにしてください。

2:スマートフォンを見るときは、肘を体につけて、画面を近づける

肩こりは日常生活の癖によって、生じるケースが多いです。特に、スマートフォンを使う際に、頭が前屈みになり、その頭部を支えるために肩の筋肉が張ってしまう場合は多いです。スマートフォンをいじる際も、できるだけ肩回りの筋肉に負担をかけないようにしましょう。

具体的には、スマートフォンをいじるときは、持っている側の腕の肘を体に引きつけてください。すると、スマートフォンの画面と顔の距離が近くなり、頭部を後ろを引きやすくなります。スマートフォンをいじる際は、肘を体につけるだけで、肩周りにかかる負担は大幅に軽減できます。両肩を楽に落とし、無駄な力みをかけないようにしましょう。

なお、パソコンで作業するときも同様で、パソコン作業を行うときは肘と体を一緒につけるようにしてください。パソコンで作業するときも、身体と肘をできるだけ近くすれば、肩の痛みが消えます。

3:良い姿勢と悪い姿勢を把握する

普段の姿勢で「PC,スマートフォン」を見すぎてしまい、頭部が前に出ます。前に出てしまった頭部を後ろに飛行とすると、肩回りの筋肉が硬くなり、痛みます。そのため、良い姿勢をできるだけ長い時間かけて実践するようにしてください。

そこで、良い姿勢と悪い姿勢について改めて確認しておきましょう。例えば、座っているときの良い姿勢と悪い姿勢の特徴は、

良い姿勢 悪い姿勢
頭が自由に動く 頭が自由に動かない
力が抜けている 力が入っている
開いている 縮んでいる
お腹、腰 自然と伸びている感じがある 縮んでいる
呼吸が楽にできる 楽にできない

上記した身体の部位をイスに座っているときに、どのような状態になっているか確認してみましょう。首、腰の筋肉が真っすぐに伸ばされ、肩の力が抜けて胸が開いている姿勢は肩に負担がかかりにくい姿勢といえます。

特に呼吸が大切です。良い姿勢を保っているときは、呼吸が自然とできています。一方、悪い姿勢の場合、呼吸動作がしずらいため、身体が疲れやすくなります。

これは、簡単な実験で体感できます。例えば、電車の中で座っていたとします。座っっていて眠くなってしまったときに、首の後ろ、背筋を伸ばし、両肩を落としてください(良い姿勢をとってください)。すると、眠気が消えていくのがわかるでしょう。なぜなら、良い姿勢を取ると、呼吸しやすくなり、脳に酸素を取り込みやすくなるからです。これが、悪い姿勢をとったままの場合、脳に酸素がいかなくなるため、思わず眠ってしまうことでしょう。

このように、良い姿勢を把握すれば、肩の痛みを防ぐことができます。酸素は、体内では栄養素として振る舞い、細胞内にある「ミトコンドリア」と呼ばれる器官によって、エネルギーを産生します。良い姿勢を取り、常に酸素が体内に満たされた姿勢を取れば、肩周りが栄養不足になることがありません。

一方、立った状態でよい姿勢を取る場合は、壁を使います。壁に背中を当てて、「首の後ろ」「肩甲骨」「腰」「かかと」が背中につけば、良い姿勢をとれています。悪い姿勢の場合、4つの部位のどこかが壁から離れてしまっています。

このような姿勢確かめてみましょう。次に仕事中にかがんだり、ひねったり、基本的な良い姿勢以外にも様々な姿勢を取ります。こういうときは、呼吸でチェックします。どのような姿勢をとっても呼吸をスムーズに行えます。このように、どのような姿勢をとっても呼吸がしやすい姿勢を良い姿勢と言えます。

4:後ろに反りかえってよい姿勢に立て直す

私は、一般人、スポーツ愛好家を対象に、個人指導をすることがあります。その時に「良い姿勢を常に維持する方法はありますか?」とよく質問されます。

良い姿勢を維持したいのであれば、「背中が丸まってきたときに、限界まで後ろにそらす」ことだけを覚えておいてください。座っているときに、「胸を張ろう」「頸の後ろを伸ばそう」「骨盤を前傾させよう」と思わなくてもいいです。ただただ、丸くなった背中を後ろにそらせばよいです。

例えば、座っているときに、背筋が丸くなってきたとします。ここで、「胸を張ろう」「背筋を伸ばそう」と思ってもまた姿勢が崩れてしまう可能性があります。そのようなことを考えずに、まずは上半身を目いっぱい後ろにそらしてください。後ろの風景が見えるくらい、顔も後ろにそらしてください。

そして、そらした背筋をまっすぐに戻してください。すると、上半身の無駄な力みが消えたまま、良い姿勢に修正できます。立っているときも同様に、背中を後ろに反りかえらせてから、真っすぐの姿勢にしましょう。

良い姿勢は、いきなり作ろうとせずに、まず姿勢を後ろにそらしてください。背中をそらしてから真っすぐに正すと上半身を脱力させながら、姿勢改善ができます。

5:眼を休ませるようにする

次に、肩こりに悩まされている方は、普段の生活でできるだけ「眼」を休ませるようにしてください。眼の奥には、眼球を動かすための筋肉が存在しており、首の奥の深層筋とつながりを持っています。眼球の筋肉が力むと、首の筋肉にも凝りが出てしまいます。

首の筋肉の凝りは、肩周りの筋肉の凝りにつながります。このように、肩に関係する部位にも余計な力みをかけないようにしましょう。

眼球周りを指で押し、指圧します。眼球周辺を指圧すると、「痛気持ちいい」感覚を得ることができます。そうして、指を置いたまま眼球を中でぐるぐる動かしてください。

仕事中、目を休ませるのに有効な方法として、眼球を指圧することが挙げられます。

6:指に力を入れないようにする

普段、PC作業をしている人の場合、指に力が入りすぎて肩が凝る場合があります。

PC作業では、指の腹でキーボードを押すことを繰り返すため、だんだん押す作業に慣れてきます。すると、指を動かす動作自体、意識しなくなってしまい、知らず知らずのうちに強くたたきすぎてしまいます。指の腹にある触覚神経に強い刺激がきてしまい、腕や肩に無駄なエネルギーを消費してしまいます。すると、肩に力が入ってしまうのです。

なるべく、キーボードは柔らかく、優しく触れるように打ち込むのが大切です。コツとしては、キーボードを使う際に、なるべく肘と体を近づけます。肘を近くすることで、両肩関節が安定し、腕の力みがとれます。これにより、手首や指に無駄な力みが入りずらくなります。

さらに、キーボードを打つ際に、「手の甲」を横に向けると指先の力みが抜けやすいです。

キーボードの上に両手を置いた際、小指と親指を軽く寄せるようにして手のひらを丸くしましょう。そうして、手の甲全体の形状を丸くしたら、手の甲を上ではなく、なるべく外に向けるようにしてください。

最後に指を押す場所です。多くの人は指でキーボードを押すときに指先の腹を使います。ここで押すと手首が曲がりやすくなり、肩に力が入ります。キーボードを押すときは指先の腹ではなく。少し横っ腹(下の写真の赤部)あたりを狙って押すようにしてください。

このように作業をすると、手首に力が入りにくくなり、肩が力みにくくなります。

7:腰方形筋を積極的に動かす

肩に痛みのない、健康的な身体はただ凝りを取り去ることばかり考えてもなれません。筋肉をゆるませる刺激も大切ですが、できれば、普段から体を使って動かすようにしてください。とはいっても、デスクワーク中心の生活をしている場合、なかなか身体を動かす時間を作りずらいと思います。その場合、「腰方形筋」を動かすことだけを意識してください。

腰方形筋は、肋骨と骨盤の間にかけて生えており、身体を反らしたり・屈ませたり・ねじったりするときに働きます。常に同じ姿勢で居続けると、背筋が硬くなり、その影響で肩が凝り始めます。

そこで、腰方形筋の凝りをとるように、普段から軽い運動を行うようにしてください。オススメは、上半身を椅子の上あらゆる方向に伸ばしたり縮めたりすることです。

例えば、上体を屈ませたり反らせたりします。加えて、左右の体側を左右に伸ばします。この二つの動作を2~3回行います。これを、仕事中の休憩中に積極的に取り入れるようにしてください。これを行うだけでも、腰回りの筋肉に刺激が入り、背筋の凝りが少なくなって結果肩の負担が少なくなります。

最後に、この4つの動作をつなげて、円を描くように骨盤をその場でぐるぐる回してみましょう。すると、腰方形筋をあらゆる方向に伸ばされ、肩の負担を軽減できます。

以上の7つのことを実践できれば、日常生活で肩にかかる負担を大幅に軽減できます。肩こり持ちの方は7つの習慣を実践し、自身で解消するようにしてください。

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