「外旋筋」を鍛えよう:腰痛の原因となる前傾姿勢を改善するには

腰痛になってしまった場合、あなたの姿勢が前傾姿勢になっている可能性があります。しかし、その前傾姿勢を治す方法は、正直わからないですよね。

そんなあなたのために、当健康所で実践している「外旋筋の鍛錬法」を画像付きでわかりやすく解説させていただきます。ここで紹介する手順通りに体操するだけで、前傾姿勢を確実に改善できます。

ご参考ください。

腰痛改善法5つの手順

①「前傾姿勢」が腰痛の根本原因                                                                                                               (http://rk-bd39.com/ken/youtuu/you-3.html)

②「外旋筋」を鍛える・ゆるめる   *ここの記事を読んでいます                                                            (http://rk-bd39.com/ken/youtuu/you.html)

③「内臓疲労」からくる腰痛の原因を解消する                                                                (http://rk-bd39.com/ken/youtuu/you-3.html)

④ 24時間腰に負担がかからない「弓道の姿勢」を手に入れる                                                             (http://rk-bd39.com/ken/youtuu/you-4.html)

⑤ 腰回りの筋肉の緊張を永遠に取り去る「神経指圧法」を学ぶ                                                                          (http://rk-bd39.com/ken/youtuu/you-5.html)

外旋筋とは

まず、外旋筋について説明します。外旋筋とは、お尻周りについており、「太ももを外側に開く」役割を持つ筋肉を指します。具体的には、「大臀筋(だいでんきん)」「梨状筋(りじょうきん)」などが含まれます。反対に、太ももを内側に開く筋肉として、「内転筋(ないてんきん)」があります。

そして、腰痛を抱えている方は、「外旋筋」の凝りを取り、鍛えるようにしましょう。そうすれば、腰痛の痛みから永遠に開放できます。腰痛の原因は前傾姿勢であり、外旋筋を鍛えれば、前傾姿勢を改善できます。

なぜなら、外旋筋を鍛えると、骨盤が前や後ろにぶれにくくなり、ほぼ垂直に保たれた状態を維持できるからです。

現代人は、PC作業中心に座りながら仕事している方が多いです。座った姿勢は股関節が垂直に曲がった状態であり、太ももの付け根の血流が低下しやすいです。さらに、座り姿勢はお尻が圧迫されてしまうため、外旋筋が凝りやすいです。その結果として、外旋筋の筋力が低下しやすいです。

外旋筋が低下すると、太ももを外に開く力が弱くなり、骨盤を支える力が少なくなります。そして、現代人はPCやスマートフォンを眺め、目に力が入っているために、頭部が前方に出ます。前方に突出した頭部を支えるために、首の後ろの筋肉が縮みます。そうして、「頸反射(けいはんしゃ)」の作用によって、骨盤が前傾し、腰痛が悪化します。

この一連の反応を止めるために、外旋筋を鍛えることは重要です。

自分の両手を当てて、足先を外側に開くようにしましょう。すると、お尻周りの筋肉が締まります。そして、背筋を触ってみると、背筋が緩んでいるのがわかります。反対に、自分の足先を内側に閉じるようにしてください。すると、お尻の締まった感覚がなくなり、背筋が硬くなるのがわかります。

人は、足先を広げると太ももが外側に開くため、外旋筋が締まります。外旋筋が締まると、太ももの付け根の骨と股関節の間がより近くなるため、太ももの骨による骨盤自体を支える力が強くなります。すると、骨盤が前や後ろにぐらつきにくくなり、骨盤が垂直に立ちます。骨盤が垂直に立つと、上にある腰椎(ようつい:腰部の背骨)が真っすぐに立つようになるために、背筋が上方に伸びます。

さらに、外旋筋が締まると、お尻がきゅっと締まるため「出尻」の姿勢になりにくいことがわかります。さらに、お尻が締まることで、頭が前方に出にくくなることもわかります。人は骨盤が垂直に立つと、お尻や頭部といった関節の位置も定まるため、「筋肉に負担がないキレイな姿勢」を構築できるのです。

こうした理由から、腰痛を改善するために「外旋筋」を鍛える必要があります。

弓道で、足先を開いて立つ理由

骨盤を垂直にし、姿勢が重要視される武道として「弓道」があります。その弓道の世界で矢を真っすぐに放つために「立つときに両足先を60度に開く」ように説明されます。

このように、60度に足先を開く理由として、足先を60度に向けると、外旋筋が働いて骨盤の前後のブレが少なくなるからです。骨盤が垂直に立つと、上に位置する両肩の位置が安定するために、矢を放ったときの両肩のブレが少なくなります。そのため、自分の狙った方向に矢を放つことができます。

弓道の世界では、正確に矢を放つために、各関節のあそび(可動域)をなくす(制限する)ように、骨格を整えます。そして、人の関節の中で最も可動域が広いのは「足首」「股関節」「肩関節」「手首」「頸」があります。これらの関節は、弓の反発力がかかった際に、先にぶれやすい関節部です。

上記した関節の部位を、適切に筋肉を働かせ、関節のあそびをなくします。例えば、手首はあらゆる方向に動かせる自由度の高い関節部です。そこで、「小指と薬指」を握って下さい。すると、手首の関節の動きにくくなり、可動域が制限されたのがわかります。

頸関節の場合、前後左右に動かせるために、軽くあごを引き、首の後ろの筋肉を伸ばすようにします。すると、頸関節が動きにくくなります。このように、弓道では、弓を引いている最中に余計な関節のブレをなくすように筋肉を働かせます。その中で、股関節は「お尻を締める(=外旋筋を働かせる)」ように意識します。

お尻を締めるようにすると、太ももの付け根と股関節がピタリとつくようになります。解剖学的に、外旋筋が働くと、股関節の可動域が狭くなり、関節の安定性が向上するのがわかっています。これにより、弓を引いている最中の骨盤のずれを防ぐことができます。

そのため、弓道の世界で「矢を真っすぐ飛ばすために、外旋筋を活用するのは必須といえます。

なぜ、野球の世界でキャッチャーだけ選手寿命が長いのか

外旋筋の重要性を説明するうえで、興味深いのが「野球選手はキャッチャーを務めた選手は選手寿命が長い方が多い」ことです。

野球の世界では、平均寿命は30歳前半と言われており、35歳以上でも現役を続けている選手は非常に少ないです。その中で、キャッチャーは35歳以上でも現役を続けている選手が多いことがわかります。

40歳以上でも現役で続けていた野球の捕手

野村克也(48歳)、伊藤勤(46歳)、谷重元信(48歳)、矢野燿大(42歳)など

このように、野球の世界でキャッチャーの選手寿命が長い人が多い理由として、キャッチャーだけ、外旋筋を使う筋肉が多いからといえます。

野球では、スイング動作とピッチング動作では、内側の筋肉を活用します。バッターがスイングする際には、軸足が内側にたたまれます。ピッチャーも同様に、ボールを投げる際に、軸足を反対側の脚は内側にひねられます。このように、膝痛・腰痛といった関節の怪我が多いです。

一方、キャッチャーはピッチャーのボールを受けるために、「しゃがむ」時間が長いです。このしゃがむ動作は外旋筋を強化するのに優れた構えであり、続けていくとお尻の筋肉が確実に身についていきます。相撲の世界で力士のお尻が大きい理由として、「しこ踏み」「股割り」動作などによって、外旋筋が鍛えられているからです。

スポーツによって、外旋筋が強化されやすいものとそうでないものに分かれます。その中で、野球のキャッチャーはいい例であり、他のポジションに比べて選手寿命が長いです。このことからも、外旋筋を鍛えることは、腰痛を含め、身体の症状を改善するために必須といえます。

外旋筋の筋力チェック法

では、ここまで読んだところで、あなたが外旋筋があるのかをチェックしてみましょう。

テスト方法

用意するもの:ゴムバンド

確認する方法:あおむけに寝て、ゴムバンドを両足にはめて、両足を外側に開けるかを確かめる

まず、あおむけに寝て両脚の力を抜いてください。次に、ゴムバンドを用意して、両足の人差し指・親指にはさみます。このときに、「両足の角度が60度のときにバンドがピンと張る」ようにバンドの幅を調整してください。

次に、あおむけに寝て、両足の指ではさんだゴムバンドを左右に広げるように両足先を開いてください。このときは、足先ではなく、太ももの付け根から開くようにするとよいです。

ここで、両足先を150度~180度まで開けるくらいまでゴムバンドを広げるようにしましょう。このときに180度まで開くことができれば、骨盤を支えるための「外旋筋」があると判断できます。反対に、150度まで開けない場合は、あなたの外旋筋が低下しているといえます。

もし、ゴムバンドがない場合は、アマゾンで購入できる健康器具として「のびーるストレッチ」があります。600円程度で購入できるので購入しましょう。ゴムバンド、もしくはのびーるストレッチを両足先にはさんで「150~180度」までバンドを開けるくらいの「力」を養いましょう。

普段の生活で腰痛のもととなる前傾姿勢を改善するためには、「外旋筋」を鍛える必要があります。筋力の確認方法として、「両足先に挟んだゴムバンド」を最低150度まで開くことができる」かどうかを基準に、あなたの外旋筋の力があるか確認してください。

外旋筋の筋力が低下していた場合、「ゆるめる」「体操」「姿勢作り」を意識してください

では、上記した外旋筋のチェックにより、「自分は外旋筋がない」とわかった場合は、凝り固まって骨盤を支える力のない外旋筋を鍛えるようにしましょう。そのためには、①、②のことを行うようにしてください。

①今、硬くなっている外旋筋をゆるめる

②ゆるめた外旋筋を使えるようにするために、体操法と姿勢作りを行う

 

硬くなった外旋筋をゆるめる方法:指圧によってゆるめる

具体的な方法が手で指圧することが挙げられます。たとえば、大殿筋をゆるめる場合、横向きに寝て、腰骨辺りに手を当てます。次に、親指を立て、腰骨周りを指圧してもらいます。このように押されると、痛くて気持ちいい箇所があります。

このように、前傾姿勢が癖づくと、お尻を締めるための外旋筋が凝り固まります。すると、その周辺の神経、血管系につまりが生じます。そこで、指圧によって神経や血管を押すと、老廃物が流れて筋肉の凝りがほぐれます。これによって「痛気持ちいい」と感じるのです。

このように、腰骨回りには大殿筋に関係する神経が含まれているため、指圧して神経のつまりをとるようにしましょう。

ゆるめた外旋筋を使えるようにする体操法

さらに、大殿筋を鍛えるように努めます。大殿筋は鍛える方法として、「バックキック」「ヒップアブダクション」を行うようにします。このポーズを3~5回、10秒間静止し、を毎日行うようにします。

常に外旋筋を活用するための姿勢作り

さらに、普段の姿勢では、外旋筋を鍛える方法として、「足踏みのポーズ」を意識するようにします。足踏みのポーズとは、両足を最大限に広げて、立つポーズです。当健康所でお伝えしている「お尻を締めるためのポーズ」です。この姿勢を取ると、お尻の筋肉が最大限締まり、背筋が伸びるのがわかります。

注意したいことが、足を広げるときにできるだけ「両太ももを外側に向けるように意識する」ことです。足先だけ外側に向けただけでは、外旋筋を締める力は養われません。必ず、足先だけでなく、膝から太ももの付け根にかけての骨を外側に向けるように意識してください。

このポーズはバレェの世界で実践される「プリエ」のポーズと同じです。ぜひ、毎日意識するようにし、お尻の筋肉を占めた立ち方を覚えるようにしてください。

まとめ

以上の内容をまとめると

・骨盤の前傾は外旋筋が低下することで起こる

・現代人は座り作業中心による股関節の屈曲、お尻の圧迫により、外旋筋の筋力が低下している

・弓道でも骨盤を支えるために「外旋筋」が活用され、野球でキャッチャーが選手寿命が長いのは「外旋筋」が関係している

・外旋筋の筋力を確認する方法は両足先にゴムバンドをつけて、左右に広げてみる。最低150度以上開いた場合は良しとし、開かない場合は

筋力が低下していると判断する

・もし、筋力が低下しているのであれば、まずゆるめるために「指圧」をし、鍛えるために「バックキック」「ヒップアブダクション」を行い、普段の姿勢で「足踏み」のポーズを行うようにする

これらの内容を行うようにしてください。骨盤を支える力が向上し、結果として、背筋にかかる負担が軽減されます。それによって、腰痛の痛みが軽減できます。

腰痛のリスクは今回お話ししたように、「骨盤の前傾」によって、起こります。しかし、その骨盤の前傾は単なる姿勢不良ではなく、「日々のストレス」によって起こります。そうした、精神的ストレスから起こる腰痛のリスクを取り去れば、痛みを根本から改善できます。

では、そのためにはどうすればよいでしょう?以下のURLにある「腰方形筋をゆるめることで腰痛を根本から解消できる」も一緒に学びましょう。

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