水は体内でどのような役割を持っているか

仕事をしたり、家事をしたりする中で、普段の生活で身体のだるさや不調に悩んでいる人は多くいます。健康な身体にはバランスよく栄養素を摂取する必要があります。そして、身体に必要な栄養素の一つとして「水」が挙げられます。

人体の仕組みを調べていくと、「水」は重要な役割を持っています。そして、調べていくと、多くの身体の器官に「水」が必要であることもわかります。

それだけでなく、精神の起伏、毒素の排除など、様々な生体機能に関わります。そのため、水は重要であるといえます。この上で、水の大切さについて理解が深まります。

ここでは、生体内における水の重要性について解説していきます。

各器官に含まれる水

人の体は体重の約70%が「水」で構成されているといわれています。それだけではなく、体の中にある器官は生体水で構成されているものが多いです。

例えば、血液やリンパ液も90%が水でできています。目にある網膜細胞や脳内もほとんどが水で構成されています。その他に、骨にも3割程度水で構成されています。

さらに、人は食事し、消化される際に用いられる「消化液」、不要な物質の排出される「尿」「汗」などで1日に約8リットも消化器官に分泌されます。

このような事実から、人の細胞の大部分は水で構成されています。細胞に栄養を運ぶのも不要物を排出するのも生体水が関わっています。そのため、人の健康には「生体水」が必要不可欠と言えます。

栄養分の運搬や体温調節には「水」は必須

あなたがご飯を食べたとします。このとき、外から取り入れられた食物は必要な栄養素として体内に消化されます。栄養素は消化液(水)が分解し、そこから得た栄養を水が細胞まで運びます。また、不必要な物質も水によって運ばれ、排出(尿や便など)します。

さらに、人は体温を調節する際に汗を出します。夏は1日に約1リットル、冬でも約0.2リットルの発汗をしています。もし、この作用がうまく行わなければ「熱中症」を発症します。人は体内の水が10%失われと危篤状態に、20%失われると死亡状態になるといわれています。

これは、人の体で水が不足すると、栄養分の輸送など、生命活動に必要な働きが機能しなくなることを表しています。栄養学の世界では、良い食品を取ること注視します。しかし、生命活動の元となる生体の水が不足すれば、いくら良いものを摂ったとしても、生存することも困難になります。

東洋医学で知られる津液(しんえき)の概念

また、東洋医学では、生体内に機能、自然治癒に必要な要素が3つあることを説明しています。その中に、「律液」が挙げられます。津液の役割として、「関節をやわらかに動かす作用」「五液(汗、鼻水、涙、よだれ、つば)を生成する作用」「骨髄、髄液を潤す作用」などがあります。

そして、津液の不調によって陥るトラブルとして、「内燥」「内湿」「湿熱」の3つに大別されます。

内燥は津液の量が不足したことで、起こるトラブルであり、肌、髪の乾燥、のど、鼻、口の乾き、関節異常などが挙げられます。内湿は津液が部分的に過剰になり、滞った状態をさします。胃内に水分がたまると、めまいや吐き気が生じて、腹部に水がたまると食欲不振やむくみが生じます。湿熱は、津液が部分的に集まりすぎてしまい、外からの熱や病的な熱が結びついて、熱を帯びた状態をさします。

これらの症状の例として、暑がり、汗っかき、顔の吹き出物、口の乾きなどが挙げられます。東洋医学の観点からしても、水の不足、もしくはバランスの偏りによって、起こる不調は多くあります。

生きている世界のほとんどが「液体」でできている

細胞にはタンパク質、核酸、脂質さらにはビタミン、ミネラルなどが複雑な構造で組み合わさり存在しています。そして、細胞の中も水で覆われており、これを「細胞内液(水)」と呼ばれています。そして、細胞内液は、細胞膜と呼ばれる皮のような物質に包まれています。

そして、その細胞もまた体内では水に浮かんでいます。これを細胞外液といいます。その細胞外液が体外に流れ出ないように、皮膚が存在します。

そのため、人の体は「個体」のように思いますが、ほとんどが水でできており、皮膚によって覆われた液体といえます。例えば、トマトやリンゴなども85~90%は水です。海にいる魚も人の脳も7割以上が水でできています。

つまり、物質は個体に見えていますが、ほとんどは水です。その大部分の水は「皮膚」によって、体外への流出を防いでいます。それによって、個体の形態を維持することができているのです。

異物の排泄作用を担う

人の体は、水によって、不必要な物質は体外に排出したり、汗をだし体温調節をする役割を持っています。さらに、水が不足すると、あらゆる病気を発症する原因となります。

例えば、水が不足すると、コレステロールや中性脂肪、血糖値などの調節機能が低下します。その他にも体内の水が不足すると、血液が粘りやすくなり、血栓ができやすくなります。その結果、心筋梗塞や脳梗塞を招く危険もあります。また、腎臓結石や痛風の発症も水を摂取することで予防することができます。

他に、都会などの人工的な環境では、ダイオキシンや化学物質などが体内に侵入する可能性もあります。しかし、これらも水を多く飲むことで体外に排出することも分かってきています。このように、良い水を飲むことは健康維持につながります。

水不足と疲労感・精神不安の関係

1日で体内から排尿で約1.4リットル、排便で約0.7リットル、夏場は汗と呼気(体外に吐き出す空気)で約1.5リットルの水が排出されています。

そこで排出される水と一緒に、「ミネラル」や「ビタミン」が体外に出ていきます。ミネラル・ビタミンは体内に存在する酵素(5000種類)を働かせるのに必要な物質です。もし、ミネラル・ビタミンが不足することで、これらの酵素が正常な働きができなくなるため、疲労感や精神不安などをきたすようになります。

そのようになる代表的な症状が脱水症状です。こうした身体に負担な状態にならないために、飲料や食事から1日に約2リットルの水分の補給が必要になります。

水分ではなく水を飲む

水分補給において、「お茶やコーヒーでは、は水分補給にならないですか?」という質問があります。本当に生体内の水の環境を考えるなら、お茶やコーヒーの摂取は少なくした方が賢明です。

なぜなら、お茶やコーヒーが保有する栄養素や不純物を選別し、体内で使える「水」に精製して使用するからです。つまり、コーヒーを体内で使える液体にするために、多大なエネルギーを要し、各器官に負担をかけてしまいます。そのため、水分ではなく、水を飲む方が無駄なエネルギーのロスを防ぐことができます。

まとめ

以上の内容をまとめます

・ 水は「栄養分の運搬」「体温調節」に必要な物質である。
・ 体内の水の量の低下、部分的な集積などによって症状が発生する

身体における水の重要性を理解するようにしてください。健康な身体な構築や、不調の改善には、水を摂取することが大切です。

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