肩凝り解消のためにほぐすべき3つの部位

スポーツ経験者含め、一般人の中には肩こりをお持ちの方がいます。PCの作業やスマートフォンの作業中に、姿勢が崩れてしまい、やがて肩回りに緊張や負担が強くなっていきます。もし、肩凝りを放置していると、「冷え性」「眼の疲れ」といったあらゆる症状を起こします。

そこで、肩こりを確実に解消するための指圧する箇所があります。武道の世界では、稽古終わりにお互いに指圧しあい、身体の疲労を取り去る手法が用いられており、現代でも形を変えて存在しています。

スポーツ含め、一般人の方で肩こりに悩まされている場合、指圧するポイントを積極的に覚えるようにしてください。毎日必要な部位を指圧することで、確実に肩のこりが取れていき、だるさから解放されます。スポーツ選手であれば、肩回りの筋肉がゆるみ、パフォーマンス向上につなげることができます。

今回は、肩の凝りを取り去るために具体的にほぐすべきポイントを解説していきます。

肩凝りの原因は「首の後ろ」「鎖骨」にある

あなたが、本質的に肩こりを治したいと考えた場合、「首の後ろ」「鎖骨」の筋肉の凝りを取るように意識してください。肩凝りになっている方は、この3つの部位が凝り固まっています。その理由を以下に解説します。

PC画面を見続けると、首の後ろが凝る

普段の生活で首の後ろが凝ってしまう理由として、PCやスマートフォンの画面を見続けて自然と顔が前方に出てしまうからです。

人の頭部の重さは5,6kgあると言われています。人が物を見たりして頭部が前方に出ると、その頭部を支えようとするために、首の後ろが硬くなります。すると、肩周りの筋肉に負担がかかり、肩凝りが生じます。この現象は、PCの画面を眺めているときに起こりやすく、見た目が首が真っすぐ伸びた姿勢になりやすいことから「ストレートネック」とも呼ばれます。

ストレートネックは一度癖づいてしまうと、なかなか治らない厄介な症状です。実際に肩こりの方の姿勢や首の状態を見ると、首が前方に出た姿勢になっている方が多いです。そのため、肩周りに負担がくる場合、自分の首の後ろが張っていないか注意するようにしてください。

指を強くたたきすぎると、「鎖骨周り」が凝る

このほかに、もう一つの原因によって、キーボードやタッチパネルをたたく作業が挙げられます。キーボードやタッチパネルをたたく作業で、腕に力を入れすぎると、鎖骨周りの筋肉が硬くなり、結果的に肩回りの筋肉が凝ります。

まず、スマートフォンを軽く持って自分の顔の近くに近づけてください。すると、腕が自然と降り曲がり、肩の付け根の内側の筋肉が動きます。この筋肉の名前は「小胸筋」といいます。スマートフォンを持って作業をしている最中は終始この筋肉が働き続けます。

小胸筋が固くなってしまうと、肩関節が内側に巻いてしまい、上半身の上部が丸まり、首が前方に出た「ストレートネック」になりやすいです。これによって、首の後ろの筋肉が硬くなり、結果として、肩凝りがひどくなり、凝りが出てしまいます。

実際に、当セミナーに来られる方で、「日常生活で姿勢を正すためにはどうした良いか」と質問されたときに、キーボードの触れ方を教えます。つまり、キーボードにおける掌の乗せ方を変えて、腕にかかる負担を少なくしてあげます。これによって、上半身の力みが普段より少なくなったと報告をいただいたお客様がいます。

小胸筋の凝りは、PC作業やスマートフォンを使っている際に凝りやすい筋肉です。ただ、スポーツやそれ以外の場面であっても、姿勢の取り方が悪いと、筋肉に凝りが出てしまいます。もし、あなたが肩凝りがひどかったり、普段、肩回りの筋肉が硬くなっている場合は、自分の小胸筋に強い張りが出ていないか確認するようにしてください。

胸周りの筋肉が張ると、肩が凝りやすくなる

最後に、「首の後ろ」「小胸筋」の筋肉が凝ると、大胸筋などの「胸の筋肉」が凝りやすいです。ただ、これは首の後ろと鎖骨周りが凝ることで、二次的に起こった凝りであると考えられます。そのため、実際には首の後ろ、鎖骨周りをほぐすことで、自然と胸周りの筋肉も緩んできます。

ただ、胸周りの筋肉が凝る場合、肩凝り以外に起こり得る影響も理解するようにしましょう。胸の筋肉が硬くなると、肩関節が前方に巻かれ、上半身の上部が前方に出やすくなります。つまり、猫背姿勢になってしまうもう一つの原因として理解しておくようにしてください。

首の後ろ・鎖骨周りを指圧し、ほぐす

 肩凝りの原因として、「首の後ろ」「鎖骨廻り」「腕の力み」にあることは説明しました。そのため、肩の凝りを取り去るためには、「首の後ろ」と「鎖骨廻り」を筋肉をほぐすようにしましょう。

このときは、「指圧する」ことをおススメします。筋肉はストレッチしたりもんだりするのではなく、直接圧力をかけることが最もほぐれます。筋肉に圧力をかけることで、詰まりの起こった血管が押され、血流が改善されるからです。血流が改善され、酸素や栄養分が運ばれるようになると、肩周りの筋肉の凝りがとれていきます。

なお、指圧するときは、「いた気持ちいい」程度の刺激で行うようにしましょう。つまり、弱すぎても意味がなく、強すぎてもダメです。自分の親指で肩周りの筋肉にゆっくりと圧力をかけるようにしてください。すると、「いた気持ちいい」程度の刺激がわかるようになり、筋肉の凝りがとれてくるのを実感できます。

首の後ろの指圧の仕方

まず、肩凝りの症状改善のために、首の後ろで指圧したい箇所を記します。さらに、右側に東洋医学の経絡(けいらく)によって、称されている名前も同時に記します。

頭の頂点                      百会(ひゃくえ:眼精疲労・精神疲労にも効果)
後頭部の生え際、        天柱(てんちゅう)
後頭部に生え際の外側   風地(ふうち)
肩甲骨の上端の背中側   肩外癒(けんがいゆ)
首の付け根          肩中癒(けんちゅうゆ)
肩の中央                 肩井(けんせい)

まず、「百会」は、頭の頂点であり、指で押すとへこみを感じる箇所です。天柱(てんちゅう)、風地は後頭部に存在するツボです。これらのツボはデスクワーク重視の方は固くなりやすい部位です。風地は天柱から横に指二、三本外側に進んだ場所にあります。

まず、頭の頂点から親指一本で指圧します。次に、指四本を用いて、頭の頂点から後頭部の付け根にかけて指圧していきます。これを行うだけでも、首や肩回りがすっきりする感覚が得られます。そして、後頭部の付け根から首の付け根まで、指圧で少しずつ親指をずらしながら指圧するようにしてください。

肩外癒は肩甲骨の上端から、背中側にあります。肩中癒は、首を前に出すと、首の後ろに骨の出っ張りが出ます。この骨が首の骨の付け根に辺り、肩中癒はそこから指3本程度外側にあたります。肩井は肩の中央部分にあたります。肩凝りの方はこの部位に違和感や硬さがあります。この部位には、太い血管が通っており、刺激して上げることで血流改善につながります。

これらの部位も時間をかけて、親指を使って指圧するようにしましょう。以上のように、頭部→首の後ろ→肩周りと指圧することで、首の後ろの筋肉はおどろくぐらいにほぐれます。実際に、私はこの手法によって、これまで多くの肩こり患者をその場で改善することに成功しています。

鎖骨周りの指圧の仕方

次に、鎖骨周りの指圧の仕方について解説します。鎖骨の上には経絡において欠盆(けつぼん)と呼ばれるくぼみがあります。キーボードで指をたたいたり、スマートフォンを持ったりすると、この周りの筋肉が凝りやすいです。欠盆を指圧することで、鎖骨周りの筋肉を効率的にほぐすことができます。

まず、自分の鎖骨に手を当ててみてください。すると、鎖骨の上と下で骨をはさんでへこむ部分があります。その部分を親指で押しあててみましょう。すると、痛くて気持ちいい箇所があるはずです。鎖骨の上下にあるいた気持ちい箇所を見つけて、指圧するようにしてください。

胸の筋肉を伸ばす

上記した「首の後ろ」「鎖骨周り」の筋肉をほぐすことで、肩回りの筋肉の凝りは大分ほぐれてきます。これに加えて、「胸の筋肉」をほぐす体操も一緒に行うようにしてください。

坐った姿勢の場合、その場で首を大きく後ろに反らし、両肘を後ろに引きます。すると、さきほど述べた鎖骨周りの筋肉が伸ばされ、気持ち良いのがわかります。この部位はデスクワークで作業をする方は、皆凝りやすい部分なので積極的に伸ばすようにしましょう。

指圧する際の注意点

そして、首の後ろ、鎖骨を指圧する際は、二点注意したいことがあります。

一つ目は広範囲に押すことです。指定された箇所だけでなく、その周辺に「痛気持ちいい」箇所があれば、積極的に押すようにしましょう。もう一つは、二つ目には時間をかけてあげることです。ツボを押している最中は、押してすぐに終わるのではなく、時間をかけて押すようにしましょう。

ツボを押している最中、常に皮膚に刺激が加わります。ここで起こる皮膚刺激によって、人の精神や感情をコントロールする自律神経の働きを安定させることができます。つまり、広範囲に時間をかけて指圧することで、確実に肩の重みを取り去ることができます。

そのため、「ツボだけを押して終わり」ではなく、「ツボ周辺の痛気持ちいい箇所」を自分で探して積極的に時間をかけて指圧するようにしましょう。まずは、肩こりに悩まされている方は「首の後ろ」「鎖骨周り」を指圧するようにしてください。日々、肩回りの凝りをほぐすことで、肩こりによるだるさや気持ち悪さから解放することができます。

さらに、スポーツ選手で肩の痛みに悩まれている場合も同様です。野球で肩を痛める人、テニスで肘を痛める人、体操など腕を使う種目で肩を痛める人は、首の後ろと鎖骨周りを指圧するようにしてください。実際に、肩回りの筋肉がゆるんでくれば、さらに体が動かせるようになり、スポーツパフォーマンス向上につなげられるはずです。

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