マラソンランナーは「首の後ろ」を伸ばすことでまだまだ早くなる

近年、健康ブームの影響により、ランニングを趣味とする方が多くなりました。東京マラソンでは設楽選手が新記録を出し、シカゴマラソンでは大迫選手が日本人初となる2時間五分台を出しました。さらに、ランニング人口は500万人以上を超えて、趣味はランニングと答える人も多く存在し、ランニング実施率は2016年の段階で800万人以上を超えるようになりました。

ランニングは様々なメリットがあります。「手軽に始められる」「一人でもできる」「健康体を作れる」この三つが優れたメリット言えます。ランニングの他の効用として

・持続的な運動をすることで学習と記憶に関わる脳機能が活性化

・がんになった人とならなかった人を比較すると、運動量が異なっていたことがわかった

・ランニングをすると、成長ホルモンの生産量が向上する

こうした内容により、ランニングは非常に有効な運動と言えます。

私自身も大学一年生からマラソンを始めて、今日までトレーニングを日々続けております。そして、私が普段のランニングや大会で自身にも役に立った情報、身体の使い方について解説していきます。

その内容は、「弓道式、ランニング上達メソッド」と称します。

これらの内容を理解すると、

・しんどいランニングが楽しくなる

・ランニングで疲れにくくなる

・仕事にも役立つ体力や姿勢も手に入る

といった利点もあります。

普段の走り方を変えると、練習量を増やしても怪我が少なくなります。走るときの無駄な力みや余計な迷いが少なくなり、練習することが苦じゃなくなります。そして、走ることが毎日続けるようになると、体格や姿勢が見違えるようにキレイに整います。そうして、自分自身に自信を持ち、日々の生活が楽しくなります。

そして、私自身はマラソン以外に、弓道を職にしています。ランニングをすることで、足腰が強化されて、弓の引き方が楽に行えるようになりました。そのこともあり、ランニングにおいての走り方について解説していきます。

ランナーは「首」の使い方を変えるとパフォーマンスが向上する

そこでマラソンランナーは「首」の使い方を変えると、姿勢、スタミナ、スピードが改善されることがわかりました。

首とは、耳からのどぼとけにかけてついている「胸鎖乳突筋」、後頭部にある「後頭下筋」です。この二つの筋肉を伸ばすことで、ランニングのパフォーマンスは劇的に伸びます。

実際に、私はこの手法により、大幅に記録を伸ばすことができています。以前に比べて負荷のかかる練習をしても、怪我もなくなりパフォーマンスを伸びました。さらに、負荷のかかる種目に出ても問題ないと判断し、ランニングを初めて8年、ついに「100kmマラソン」「トライアスロンロング種目(スイム3.0km、バイク158km、ラン42km)にも挑戦しました。その結果、両方とも平均より上位で完走しました。

首を伸ばすとは、弓道の世界にある「頭居(かしらい)」と呼ばれる動作から来ております。このような経験をしてから、私自身は走る際は「首を伸ばす」ことが大切と実感しております。

首の後ろを伸ばすと、なぜパフォーマンスが伸びる?

では、なぜランナーは首の後ろを伸ばすとパフォーマンスが伸びるのでしょうか?これは次のように説明できます。

「走る動作」とは、必ず片脚のどちらかが地面から離れた姿勢を取ります。その上で片脚に体重が乗り、その体重が前方に移動することで、「前進運動」が行われます。この動作は「ジャンプ動作の繰り返し」ともいえるでしょう。前に軽くジャンプしながら動作をするために、時間がたつと姿勢や重心にぶれが起こります。

このように重心がぶれてしまうと、走るときにぎこちない動きになり、ぎくしゃくしてしまいます。実際に、ランニングをして疲れてくると、脚が上がらなくなって引きづるような感覚で走る形になります。重心がぶれると身体を前進に動かしにくくなり、スピード低下を及ぼします。

その際に最もゆれやすい箇所が「頭」です。頭部は、上半身の中で最も最上位に位置し、首関節自体があらゆる方向に動かすことができるために、関節のブレが起こりやすいです。頭部がぶれると、上半身全体がぶれてしまい、重心移動がスムーズに行われにくくなります。よって、スピードが低下します。

さらに、上半身で起こったブレを支えるために、腰部の筋肉に必要以上の負荷がかかります。腰部には、膝関節につながる血管、神経が通っており、余計な筋肉の張りによって詰まりを起こします。これによって、腰、膝痛などが発生します。

そこで、首の後ろを伸ばしたとします。軽くあごを引いてみましょう。その状態で誰かでもいいし自分自身の肩を自分で押してみてください。軽く頭部を引くと、肩関節が動きにくくなるのがわかります。あごを引くことで胸鎖乳突筋が張ります。そうして肩関節まで続いている鎖骨の可動域(動く幅)が制限されるために、肩関節自体が動きにくくなるのです。このように軽くあごを引くと上半身全体がぶれにくくなるのです。

さらに、背伸びをするかのように、頭部を上に上に伸ばしていきましょう。すると、曲がった背骨が伸ばされて、足裏に乗った重心が軽く感じませんか?最も最上位にある頭部が伸びると、背骨が伸び、内臓や筋肉を負担なく支えられます。それによって、足裏の重心が軽く感じるのです。

これは、普段の仕事でも面白い事実が言えます。あごを引いて、軽く膝を曲げて立つと、立ち作業や立ち仕事が苦じゃなくなって

「無駄な動き」を消すと、スピードが伸びる

このように考え方を実践すると、ランニングのパフォーマンスも向上します。無駄な動きを省くと、スムーズに身体を動かせます。この考えを理解するために、「人は100メートル走で100メートル走っていない」という面白い話をします。

ランニングの世界では、走っているときに完全に前方に動いておらず、実際には、「左右」にも多少ずれていることがわかっております。左右に体がぶれている分、走る軌道が直線にならないため、計算すると、100m走ると、「50cm」程度長く走っているとも言われています。

では、この50cmを30cm短縮できればどうでしょう。タイムが0.1~0.3秒縮まり、単距離の世界では大きなパフォーマンス向上になるでしょう。42.195 kmの間で左右の重心のブレが消えればどうでしょう。計算すると、21~23メートルも長く走っています。これをなくすだけでも、30秒もタイムが縮まります。

もしくは、長い距離の場合、重心のブレが大きくなるので、もっと無駄な距離を走っているかもしれません。筋トレやストレッチをしなくても日々の歩き方、走り方の意識を変えるだけでタイムを伸ばすことができます。

弓道の世界では、正確に弓を引くためにできるだけ無駄な動作をなくすように考えます。無駄な動きをどんどん省いていくと、最終的に負担が少ない身体を動かしかたを体得できます。そうして、しなやかでかつ大きく弓を引ける射形を得られるのです。

この思考は歩き方、走り方でも同様です。あなたの今の走り方の「無駄な動き」を取り去れば、タイムは自然と縮んでいきます。

ランニングにおける無駄な動きの例

ランニングでつい行ってしまう無駄な動きを例をお話しします。例えば、走るときにきょろきょろ周りを見たり視界を変えたりしていないでしょうか。このように、視界を変えすぎると、余計な重心のブレを起こしてパフォーマンス低下に陥ります。目線は4メートル先にして、その付近をぼんやり見るよううにすると、走りやすくなります。

次に股関節です。脚を動かすときに、膝を無理やり上げたりしていないでしょうか。無駄なく重心移動させたい場合は、膝を「常に前に送り続ける」ように意識します。すると、重心が前方に動きやすくなり、効率よく走ることができます。膝を上方に上げる必要がなくなり、無駄な動作がなくなるので「楽になった」感覚を得られます。

あるいは肩甲骨です。「腕振りが大切」と思い、むやみに腕を振りすぎるのではなく、あえて振らずに、両拳を肋骨の下部にキープしておきます。これで走ると、自然に腕が振られ、推進力が向上するにつれて鋭くなります。

無駄な動作をどんどん省けば、楽に早く走ることができます。動作の無駄を省いていくと、首の後ろを伸びた姿勢が維持できて、長い距離を走っても疲れなくなります。

このように、首の後ろを伸ばすことで、ランニングのパフォーマンスが伸びます。まずは実際に行ってみて、今回は、初めての方でも、確実に「楽に走れるフォーム」を会得できるように仕組み化しました。具体的なプロセスを本書で解説します。自分の興味があるところから始めてもよいですし、一つずつ取り入れてみてください。

本書によって、弓道がランニング、仕事にも活用できると面白味を感じていただければ嬉しいです。しんどいランニングが楽になり、きれいな姿勢と体力の向上を目指し、頑張ってみてください。

無駄な動きをなくして心拍数を抑えていく

さらに、無駄な動きをなくしていけば、頭部にかかる負担や関節のブレがどんどん軽減されていきます。そうすると、走っているときの気持ちに余裕が出てきます。早く走っても過度に心拍数が上がることなく、負荷がかかっても楽に感じることができます。

なぜなら、首の後ろを伸ばすと、過剰にあがった心拍数を抑えることにつながるからです。

ランニングしていると、心肺に負担がかかって徐々に心拍数が向上します。走ることによって、酸素が必要になるので、体内に多くの酸素を取り込もうと心肺機能が働きます。

ただ、この心拍数を抑えることができるのです。「胸郭周辺の筋肉を鍛える」ことと、「走っている最中に感情をブラさない」ことです。

胸郭周辺とは、具体的に「肋間筋(ろっかんきん)」を指します。この筋肉を強化させると、一度に取り込める酸素の量が増えるため、心肺を過剰に働かせる必要がなくなります。実際に、マラソンランナーの心拍数は、一般人に比べて少ないことが多いです。なぜなら、マラソンの練習をすることで、肋間筋が鍛えられ、心肺機能が向上するからです。

もう一つが、「感情をブラさないこと」です。人の後頭部周辺には、感情を制御している「自律神経」と呼ばれるものがあります。この神経が働くことで、興奮したり落ち着いたりできます。このように、感情がぶれることで、心拍数が向上します。緊張したり怖がっているときに心拍数が向上した経験は誰もがお持ちです。

そして、頭部が前に出て、背骨が歪んでしまうと、首の後ろの自律神経が圧迫されます。これによって、緊張状態を自らに作ってしまい、心拍数が向上します。首の後ろを伸ばし、心拍数を上げるのを抑えることで、無駄な体力の消耗や疲労を抑えることにつながります。

この理屈は

次のように

・健康になりたい女子、男子に使える脚が長くなり、キレイになる弓道式走り方理論

最も鍛えなければいけない部分は「首の後ろ」と殿筋である。

■正しく走ることができれば、脚が合理的に長くなる

■O脚の改善は、首が最も伸びる姿勢を取ればよい

・100kmマラソン経験からわかる物理的にもっとも楽な走り方

・マラソンランナーに使える必ずタイムが伸びる弓道式走り方

■前傾姿勢は意識しすぎてはいけない

■怪我を劇的に消し去る殿筋

■呼吸は口ではなく、鼻呼吸をした方が良い理由

・単距離に使える弓道式走り方

■瞬発力

■タイムが秒単位で早くなるトラックカーブの曲がり方

・バスケ、サッカー、テニスに使える弓道式走り方

・武道に活用できる弓道式走り方

・本当になんば走法は使える理論なのか?

私はランニングに関して様々なことに投資してきました。ヨガ、スポーツジム、ロルフィング、初動負荷トレーニング、ゆる体操、古武術、さまざまなことに手を出しました。しかし、実績は何も残せませんでした。フルマラソンに出ると必ず足がつって極度のペースダウンに悩まされました。「脚さえつらなければ……」「なんでストレッチをしたり、体の使い方を意識しているのにタイムが伸びない……」本当に悩みました。

初めてのフルマラソンは大学一年生に出たつくばマラソン、結果は4時間54分。二年生の時は、5時間5分40km地点で右太もも裏側が痙攣してその場で倒れて5分程度倒れて動けなくなりました。近くのランナーに「大丈夫ですか?」と声をかけられる始末。

それ以降、本当にフルマラソンに出るのが怖くなりました。しかし、なんとか4時間は切りたいと強く思い、

武道を含めて、あらゆるスポーツでは、走ること(ランニング)はスポーツ上達するに大切な動作です。

陸上のトラック競技はもちろん、さまざまなスポーツの準備運動、さらにはスポーツをやらない一般人まで運動不足解消のために「走る」動作はいろんな場面で使われます。ランニングを行うことで、全スポーツの基礎体力がつき、各スポーツのパフォーマンス向上につながります。

さらに、ランニングは有酸素運動です。ランニングによって、酸素の取り込み量を増やせば、脳細胞の活性化につながります。糖尿病を含めた生活習慣病の改善にも、「ランニング」は有効な手段といわれています。そのため、ランニング動作を骨格に基づいて理解することは重要です。

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