肩凝り改善に絶対実践したい「脇下の筋肉」の凝り解消法

肩こりになってしまうと、具体的にどこをほぐせばよいかわかりませんよね。整体師やマッサージ屋に行って肩周りの筋肉をほぐしてもらっても、なかなか解消することはできません。

ただ、肩こりに悩んでしまう人は、肩周りではなく、「脇周り」の原因があるのをご存知でしょうか?脇下には前鋸筋と呼ばれる筋肉があり、肩甲骨を動かす際に働く筋肉です。この筋肉が凝ってしまうと、肩甲骨の可動域(動く範囲)が狭くなってしまうため、肩こりが生じます。

この筋肉は肩こり持ちの方は必要不可欠な筋肉です。必ず理解し、ほぐすようにしてください。

 

肩こり改善法5つの手順

①肩甲骨の動きが悪くなると、肩こりが発生する                                                                                                                (http://rk-bd39.com/ken/katakori/kata-2.html)

②肩の筋肉を効率よくほぐす神経指圧法                                                                                                                    (http://rk-bd39.com/ken/katakori/kata-3.html)

③肩凝り改善に絶対実践したい「脇下の筋肉」の凝り解消法        *ここの記事を読んでいます                                   (http://rk-bd39.com/ken/katakori/kata-4.html)

④ 肩こりから起こる「腕のしびれ」「冷え性」「四十肩」「首凝り」の対策法                                                                                                 (http://rk-bd39.com/ken/katakori/kata-5.html)

⑤ 日々の生活で肩の負担を9割軽減させる7つの習慣                                                                                                                                                                   (http://rk-bd39.com/ken/katakori/kata-6.html)

前鋸筋とは

前鋸筋とは、脇下にある筋肉であり、「肩甲骨を外側に開く(外旋する)」ために働く筋肉です。あるいは肩甲骨を安定化させるために働きます。

脇下の筋肉の場所は、肘を外側に開いて肩を落とすことで確認できます。まず、両腕を左右に開き、腕の上腕(肩から肘にかけての部分)を時計回りに回してください。すると、胸が自然と開きます。その次に、両肩を下げてください。すると、脇下あたりの皮膚が硬くなるのがわかります。この部位に前鋸筋あります。

そして、前鋸筋が働くと、肩甲骨の下部が締まります。そして、上部が外側に開くようになります。

前鋸筋はスポーツで重要な筋肉である

前鋸筋はスポーツの分野で重要となる筋肉です。スポーツの動作で前鋸筋を張り、肩甲骨を開くようにすると2つの効果を得ることができるのです。

・上体がぶれにくくなる

・腕を使う動作を腕に力みを入れず行えるようになる

簡単な例として、野球の投げる動作が挙げられます。ボールを投げるときに、投げるボールの角度を変えることで、腕にかかる負担を少なくできます。

野球の投げる動作でよくあるフォームが、「両肩の線を地面と平行にしたフォーム」です。しかし、このフォームで投げようとすると、どうしても、身体と腕の距離が近くなってしまうため、肘を痛める可能性があります。

そこで、少しの工夫を行えば、肘にかかる負担を軽減できます。投げるときに球を握っている側の肩をなるべく下げるようにします。次に、腕を振る際は、腕が振られる軌道を両肩に対して90度ではなく、少し離して45度にします。そして、体を投げる腕と反対側に少し傾けると、脇下の筋肉が伸びるようになります。このように投げることで、投げる際にかかる肘の負担が軽減できます。

萩野公介が金メダルを獲得できた理由は脇下にある

少し、スポーツの話をさせてください。脇下の筋肉は、スポーツにおける腕を振る動作に有効です。「水泳のかき動作」でも、脇下の筋肉を活用することで、スピードが向上します。

オリンピックの水泳日本代表として、金メダルを獲得した「萩野公介」は水泳フォームを変えることによって、タイムが伸びた選手です。金メダルとった理由として、「手術したことで肩甲骨の可動域が広がった」と解説しています。

萩野選手は、練習外で肘を怪我してしまい、肘に障害をもっていました。それ以降、常に右肘に違和感を抱えていたため、手術を行いました。手術後には、腕が真っ直ぐに伸び切らなくなってしまったのです。しかし、このようなハンデを抱えながらも、リオ五輪では、きっちりメダルを獲得しています。

腕が伸びきると、体あらできるだけ遠い位置に手を入水できるため、その分多くの水をかくことができます。しかし、水泳において、腕が伸ばしきってしまうと、肩が浮き上がって肩甲骨が上方に上がってしまう危険があります。もし、肩が浮き上がってしまうと、首から肩にかけて生えている僧帽筋(そうぼうきん)が緊張してしまうため、腕をかく力が弱ってしまうのです。すると、遠くに入水できても、実際に水をかいて体を移動させる距離は短くなります。

しかし、少し肘を曲げて、身体の近い場所から入水することで、肩と肩甲骨が上方に上がってしまうのを防げます。そのため、水をかく際に肩や腕が緊張しずらくなります。腕だけでなく、肩甲骨周りや脇下といった体の中心に近い筋肉が活用できるようになるため、水をかく力が強くなります。

萩野選手が手術をしてから、「肩甲骨の可動域が増えた」とお話しているのは、脇下の筋肉を活用した水のかき動作ができたからであると推測できます。つまり、従来の水泳の常識による「入水するときは腕をなるべく伸ばすようにする」ことをやめて、少し体に近づけて入水することを行った結果、肩や肩甲骨の上がりを抑え、脇下や肩甲骨周りの筋肉を活用して泳げるようになったのです。

脇下の筋肉は、運動中は少しだけ肘を曲げた状態を維持することで活用できます。実際の運動動作に働かせることで、スポーツパフォーマンスをさらに伸ばすことができます。

弓道では、弓を引くのではなく「押し開く」と説明する理由

さらに、弓道の世界では、「弓は引くのではなく、押し開く」と説明します。これは、弓を引くときに、使う筋肉を肩甲骨を開く前鋸筋を重視するためです。

弓は、体の近くまで引き寄せて、離す手前で狙い目を定めます。しかし、体の近くまで引き寄せてじっと的を見ると、弓の反発力が身体にかかって力むことがあります。もし、体が力んでしまうと、姿勢にぶれが出たり関節がゆがんだりするため、矢を真っ直ぐにとばせなくなります。

このときに、もっともぶれやすい関節が肩であり、肩甲骨の位置がぶれやすいです。具体的には、弓を引いている最中は、弓の反発力は外から体の中心の方向にむかってかかります。そのため、肩甲骨が身体の中心に寄りやすいのです。これによって、肩周りの筋肉が力んでしまうため、上半身が強く緊張してしまいます。

そこで、内に寄りやすい肩甲骨を開き、肩周りの筋肉を必要以上に力ませないようにするために「前鋸筋」を活用します。意識の仕方としては、脇下を意識して、脇から弓を押し開くようにします。すると、ひどく浮き上がった肩関節が下に下がり、ねらいが合わせやすくなります。

熟練者になると、脇周りの筋肉が発達し、脇から押す感覚がわかるようになります。弓道において矢を真っ直ぐに飛ばすためには肩関節の位置がぶれないことが大切であり、そのためには脇下の筋肉を活用する必要があります。

前鋸筋が凝ると、肩こりになる

このように、スポーツで重要な前鋸筋は、日常生活でも大切です。この前鋸筋が凝ると、肩こりになってしまうのです。

肩こりを経験された方は、「肩周りが痛い」「背中周りが痛い」など、痛む部位が少し異なります。しかし、症状は異なりますが、これらは前鋸筋が凝ることから始まります。

前鋸筋が凝ると、首や肩の上部が凝る理由

肩周りがだるく・重く感じる理由として、前鋸筋が凝ると、首から肩にかけてつながる僧帽筋(そうぼうきん)が凝りやすくなるからです。

もし、前鋸筋がこってしまうと、肩甲骨を外に開く運動をする場合、他の筋肉を使って行わなければいけません。そのときに、僧帽筋を使って肩甲骨を外側に開くようにします。僧帽筋は、肩甲骨を上方向に動かしながら、外に動かす「上方回旋(じょうほうかいせん)」ことができる筋肉です。もし、前鋸筋によって肩甲骨が動かせなくなってしまった場合、僧帽筋を活用して肩甲骨や腕を動かすようになります。

このために、肩や腕がだるくなりやすくなります。

僧帽筋は、腕を動かすのにあまり適していません。できる限り、腕や肩甲骨は前鋸筋のような小さな筋肉で動かした方が、動かしやすく肩も楽です。しかし、前鋸筋が硬くなってしまうと、僧帽筋で腕・肩甲骨を動かさざるをえなくなるため、肩周りが凝ってしまうのです。

これは、簡単な実験で体感できます。「腕を上に上げる」動作で、僧帽筋と前鋸筋をそれぞれ使って腕の上げやすさを体感しましょう。手を少しだけ内側に向けて、腕を上に上げてください。すると、腕が上がるにつれて、肩周りに緊張感が出てくるのがわかります。このように手を内側に向けると、僧帽筋が収縮しながら腕を上げることができます。

次に、手を外側に向けて、腕を上げるようにしてください。すると、先ほどに比べて腕が上がりやすくなるのを体感できます。手を外側に向けると、前鋸筋が働き、僧帽筋がゆるみます。この状態で腕を動かすと、肩が上がりやすくなります。

腕や肩甲骨は、前鋸筋のような小さな筋肉で十分に動かせるのです。小さな筋肉で動かすことができれば、力や意識が少なくすみ、動作の無駄を大きく減らせます。しかし、僧帽筋のような大きな筋肉で常に腕や肩甲骨を動かしていると、無駄が多く、肩に張りが出てしまいます。

少し話が反れますが、肩こりによって首が凝ることがあります。この理由としては「PCやスマートフォンを見る際に、頭が前に出てしまう」という姿勢の崩れが挙げられますが、「前鋸筋」の凝りも関係しています。前鋸筋が凝ってしまうと、腕や肩甲骨を僧帽筋を使って動かさなければなりません。その影響によって、肩だけでなく首周りにだるさや痛みが出てしまうこともあります。首周りがだるい人は、「姿勢」以外にも、前鋸筋の凝りを取り去るようにしてください。

前鋸筋が凝ると、背中周りが凝る

次に、前鋸筋が凝ると、背中周りにも痛みが出てしまいます。この理由として、前鋸筋が硬くなると、左右の肩甲骨の間にかけてついている「菱形筋(りょうけいきん)」が凝るからです。

前鋸筋は、「腕を前に伸ばしきる」「遠くに手を伸ばす」際に、働く筋肉です。しかし、普段の生活で活用しなかったりストレスがたまったりすると、前鋸筋の柔軟性は低下していきます。すると、左右の肩甲骨が外側に開きずらくなり、お互いによりやすくなります。

このときに、左右の肩甲骨をつなぐ「菱形筋」が収縮してしまうのです。肩甲骨・腕を動かさず、前鋸筋が硬くなっている状態では、菱形筋が縮んだ状態が続き、背中周りの血流が低下します。これによって、痛みが出てしまうのです。

つまり、肩凝りによる肩、首、背中周りの症状は、前鋸筋が関係しています。前鋸筋の柔軟性が低下することで、その周りにある筋肉が緊張しやすくなり、痛みが出てしまうのです。

前鋸筋周りには、毒素とリンパ液がたまりやすい

このように前鋸筋が凝りやすい理由として、仕事でストレスが重なると「脇下周りに毒素が溜まりやすい」からです。

人は「古い細胞を新しく入れ替える」「全身に回らないように毒素やウイルスを処理する」など、生命を維持するための活動を行います。古い細胞を修復するためには、細胞にアミノ酸、ヘモグロビンといった栄養素を血液を介して送ります。そのさいに、栄養分を組織に流したら、その血液は「リンパ液」と称してリンパ節に流れます。

あるいは、血液の中にウイルスや毒素が含まれた場合、全身に回らないように「リンパ節」を介してろ過されます。このように、リンパ節は毒素の排出やリンパ液の回収といった重要な役割をしており、具体的に脇下周り(腋窩リンパ節)に存在します「他に首、鎖骨、そけい部、膝裏、ふくらはぎにも存在しています」。

仕事や日常でストレスが積み重なると、体内で多くの毒素が発生するため、回収に追われます。すると、リンパ節の流れが滞りやすくなり、古い体液がたまるようになります。さらに、仕事や運動をすると、細胞が酸化ストレスにさらされ、疲労します。そうして、古い細胞を再生するには、栄養分が必要であり患部に体液(栄養分の詰まった血液)を集めようとします。そうして、栄養分が送られた後は、古い体液として脇下リンパにたまります。

筋肉を働かせたり、再生させたりするためには、酸素が必要です。酸素から、エネルギーが生産され、酸素は細胞の栄養分になります。その酸素を筋肉に送るためには、血管から染み出たリンパ液から酸素を取り込む必要があります。もし、リンパ節の流れが滞ると、リンパ液から取り出せる酸素の量が少なくなるため、筋肉の凝りにつながります。

その結果、脇下の筋肉が凝ってしまうのです。

身体がストレスにさらされる→大量の毒素が発生したり、栄養分が必要になったりする→リンパの流れが滞り、血液中に送られる酸素が低下する→筋肉が凝りやすくなる

そのため、肩周りがだるくなりはじめたら、肩周りより先に脇周りの凝りをとるようにしてください。前鋸筋からほぐすようにすると、早く肩こりが解消できます。さらに、仕事でストレスが強くかかったとしても、効率よく肩の負担を取り去ることができ、日々健康的に過ごすこともできるのです。

前鋸筋をほぐす方法

では、前鋸筋をほぐす方法として、いくつかの方法を紹介していきます。

①直接脇下周りのリンパをほぐす

②ストレッチを覚える

③脇下の筋肉を動かす体操を実践する

肩こりの症状に悩まれている方は、必ず①~③のことを毎日行うようにしてください。日々の生活で毒素がたまった脇周りの筋肉のケアをして、毒素も凝りのないスッキリとした状態にします。これによって、肩周りの痛みから解放されます。

脇下周りのリンパをほぐす方法

まず、脇下周りに手を当て、脇下周りをぐっと押すようにします。その押した状態で腕をぐるぐる回してみてください。すると、脇下周りに痛くて気持ちいい刺激が得られます。このように、脇下周りに手を当てて、腕を動かすことで前鋸筋をほぐすようにしてください。

あるいは、低反発性の道具を使っての脇下の筋肉をほぐす方法を紹介します。低反発性の道具を床に置いて、横向きに寝ながら脇下に道具に当てるようにします。そして、上半身をゆするように動かすと、圧力が入り、痛気持ちいい刺激が手に入ります。

二つの方法で、脇下の筋肉をほぐすようにしてください。

脇下の筋肉のストレッチをする

指圧をして、リンパ節や神経を押しほぐすのも大切ですが、ストレッチによって、脇下の筋肉自体を伸ばすようにしましょう。手軽にできる方法としてドアを使ったストレッチがあります。

ドアの前に立って、前腕(肘から手首にかけての部位)をドアに当てます。ドアに前腕を当てたまま、体全体を前に動かしてください。すると、肩甲骨が寄せられ、脇下周りの筋肉がストレッチされます。左右ともに、10~20秒間程度ストレッチをするようにしてください。これを続けていると、凝り固まった脇下の筋肉をほぐせます。

ヨガの有名なポーズとして、「三角のポーズ」があります。まず、両足を肩幅よい広く開いて立ちます。その状態で、体を左右に傾け、傾けたた側と反対側の腕を上方に伸ばすようにします。たとえば、体を右に傾けた場合、左腕を伸ばすようにし、体全体で大きな三角の形を作ります。これによって、体側から脇下にかけての筋肉がストレッチされます。

三角のポーズは左右に10~20秒程度、3~4回程度を目安に行うようにしましょう。

脇下の筋肉を動かす体操をする

次に、ほぐすだけではなく、実際に脇下の筋肉を活用するようにしましょう。簡単に脇下の筋肉の動かす体操法を紹介します。

押す

最初に、壁を使った脇下の活用法です。どちらか一方の腕を伸ばし、伸ばした側の肩を下げます。次に、その状態で壁に手を当てて押すようにします。このときに、肩が上がらないようにして、常に下げる意識をもって、押すようにしてください。

押している最中は、息をはくようにします。そうして、脇下の筋肉により刺激を入れることができます。

肩甲骨を開く体操

次に、肩甲骨を意識的に動かせる体操法をしましょう。両手をそれぞれ斜め上方に伸ばします。次に、腕をそれぞれ斜め上方に伸ばすように動かしましょう。伸びた腕をさらに、伸ばそうと意識すると、肩甲骨が動き、脇下周りを動かすことができます。

いかがでしたでしょうか?脇下の筋肉は肩周りの筋肉を張るために大切であるのがわかりました。そして、ほぐす方法、体操を実践し、脇周りの筋肉をほぐすようにしてください。

さらに、肩こりに付随して、「手首、腕のしびれ」「冷え性」「四十肩・五十肩」「ストレートネック」などが発症します。このような痛みについても対策を講じることで、改善可能です。「肩こりによって起こる他の症状の対策法」も実践し、肩の痛みを永続的に解消するようにしてください。

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