膝の内側が痛むのは「前傾姿勢」が原因である

日々、自分の体に気を付けず生活をしていると骨格が歪んでしまい、神経や筋肉に無理な負担がかかります。その中で、膝の痛みに悩まされることもあります。

膝の痛みに悩まされると日常生活の動作に支障をきたします。歩行動作が困難になり、思い切り走ることもできません。近年は、膝治療に特化したサプリメントや治療法なども存在します。ただ、それでも痛みが治らず、悩んでいる人も実際にいます。

ただ、膝の痛みの本質的原因が「骨盤の傾き」から来ていることはご存知でしょうか?体の仕組みから考えると、膝の痛みは「前傾姿勢」から来ていることがわかります。もし、あなたが膝の痛み、特に内側の痛みに悩まされている場合、自分の骨盤が前に傾いていることを疑うようにしましょう。

そして、前傾した骨盤をもとの状態に戻すことで、膝の内側の負担を大幅に軽減できます。今回は、膝の内側に痛みが起こる原因と対策について解説していきます。

膝の痛みは前傾姿勢によって起こる

まず、膝の痛みが生じる原因として、背骨と関係性があることを理解しなければいけません。結論からお話すると、「腰椎2・3番目」がずれると、人の膝関節には痛みが生じやすくなります。

腰椎とは、背骨の中で腰の部分にあたる骨を指します。腰椎2・3番目の位置は、肋骨の下部(自分で背中を触り、肋骨の出っ張っている箇所)から親指3本程度下方に下がった場所になります。この部位の骨と神経学的に関連する部位として膝関節があります。

つまり、腰椎2・3番目と膝関節は神経系としてつながりがあり、腰椎2・3番目がずれると、膝関節に影響が出るのです。

普段の生活で、姿勢不良によって「前傾姿勢」になったとします。すると、骨盤が前に傾き、腰椎2・3番目が前方にずれ、膝関節につながる神経が圧迫されます。この状態が続くと、膝関節の神経伝達に悪影響が起こります。後に、脳から痛み物質として、ヒスタミン・ブラギニンが流れ、痛みを感じるのです。

これは、側面・後ろ面であっても同様です。腰椎は1~5番までありますが、それらのすべてが膝関節と関連を持っています。つまり、骨盤が前傾することで、膝関節に痛みが起こると理解するようにしましょう。

なぜ、前傾姿勢になると、膝の内側が痛むのか?

次に、前傾姿勢になると、とくに膝の内側が痛くなりやすいのがわかっています。この理由として、人は前傾姿勢になると、太ももがが内向きに入り、左右の膝関節の間隔が広がるようにできているからです(生まれつきX脚の場合、この関係でない場合があります)。

これを体感するために、立った姿勢でつま先の向きを変えると膝関節の位置がどのように変わるか確かめます。まず、左右のつま先を外側に開いた状態で立ちましょう。その後に、拳で「グー」の形を作って、左右の膝の間に入れてみてください。すると、拳が通らないことがわかります。

次に、足先を少し内側に向け、内またっぽく立ちます。具体的には、親指の側面を合わせて、踵はお互いに離します。すると、先ほどと同様に拳を膝の間に入れると簡単に通ってしまいます。

これは、太ももが内側に向くと、お尻を締める大殿筋や梨状筋がゆるんでしまい、太ももの付け根の骨が外側に出てしまっていることがわかります。がに股にすると、お尻がきゅっとしまり、太ももの付け根が股関節によるため、左右の膝関節の間がさらに狭くなります。

このように、骨盤が前傾すると、膝関節の間隔があきます。それによって、内側のほうに、重力の重みがかかりやすくなり、膝の内側が痛むのです。

O脚の原因も前傾姿勢から来ている

O脚とは、左右の膝関節の間が広すぎた状態になった脚のことです。そして、健康情報や書籍の中には、骨盤が後ろに倒れ、猫背になったことで生じるといわれています。

しかし、実際には前傾姿勢によって膝関節の間が空き、O脚になる方が多いです。特に女性は男性に比べて、骨盤が前傾しやすく、O脚になりやすいです。巷には、O脚の矯正グッズとして、膝につけるバンドやサンダルがあります。しかし、根本的に骨盤の角度が変わらなければ、末端となる脚を変えても意味がありません。

ただ、中には骨盤の角度からO脚になってしまう原因を解いた情報もあります。ただ、調べた限り、「O脚の原因は猫背」であると説明している情報もあります。これは、自分で考えて、気をつけて読むようにしてください。

O脚の原因は骨盤が前傾し、大殿筋・梨状筋がゆるんでしまい、太ももの付け根が外側にはずれることで起こることが多いです。実際に、私が治療に携わった方の骨盤の角度と脚の状態を観察すると、O脚になっている人の大半は前傾姿勢になっています。逆に、前傾姿勢になることで、両膝の間隔が狭くなる人は100人以上の方を見てきて、1人だけいました。

そのため、O脚の原因は「前傾姿勢」から来ていると判断して問題ありません。あなたが、O脚で悩まれている場合は、自分の骨盤が前傾していないか確認するようにしてください。前傾姿勢になると、太ももの骨が内側に向き、太ももの付け根が外側に動きます。

これによって、左右の膝関節の間隔が広がり、上半身の重さをささえる際に力のかかる箇所が内側に寄りすぎてしまいます。そのために、「膝の内側の痛み」「O脚」が起こるのです。

前傾姿勢を改善し、膝の内側の痛みをなくすには

では、どのようにして前傾姿勢をなくせば良いでしょうか?具体的には二つのことを行うようにします。

①腰椎2・3番目の周辺の筋肉をほぐす

②外旋筋をゆるめ、骨盤を垂直に立たせる

以下に、①、②を行うために必要なことについて解説していきます。

腰椎2、3番目周辺の筋肉をほぐす

腰椎2・3番目のずれを修正するためには、周辺にある背中の筋肉をほぐす必要があります。そのために、まずは腰椎2.3番目周辺にある筋肉を自分で触れるようにしましょう。次に、具体的にほぐす方法を理解し、実践してみましょう。

まず、「腰椎2・3番目」の探し方を解説します。仰向けに寝て、自分で自分の背中を触り、「肋骨下部」を触るようにしてください。背中を触り、みぞおちあたりを触り、そこから背中側に手を回していくと、細長い骨を当てることができます。

これが、肋骨の中で一番下に当たる骨です。この骨の位置から親指2,3本下に移ると、「腰椎2、3番目」の場所になります。この部位を覚えるようにしてください。

次に、筋肉をほぐす方法として、「指圧」があります。一つ目の方法は、指圧することです。実際に背中の筋肉を押し当てて、凝りをほぐすようにします。立って行う場合は、腰椎2・3番目の位置に親指を当てて、体を反らせながら指圧します。

寝る姿勢の場合は、腰椎2・3番目に低反発性のボールや当て物を用意し、床に置いて押し当てます。その姿勢で体を動かすと、痛気持ちよい刺激を手に入れることができます。このようにすることで、筋肉の凝りを取り去ることにつながります。

外旋筋をゆるめる

次に、お尻を締める筋肉である大殿筋、梨状筋をゆるめることで鍛えることで、前に傾いた骨盤を垂直に立たせるようにします。

具体的には、机などある程度高さがある台を用意します。机の上に、どちらか片方の脚を乗せてください。このとき、乗せた脚は膝下の外側を床につけるようにします。つまり、あぐらで脚をたたむときと同じような脚の組み方をし、机に乗せます。

この状態で、背筋を伸ばして、前に乗せた足に体重をかけるようにしてください。すると、お尻の筋肉がストレッチされるのがわかります。こうして、お尻の筋肉を伸ばすことで、硬くなった筋肉をほぐし、前傾姿勢の改善につなげることができます。

以上の内容を理解することで、前傾姿勢によって脚の内側が痛くなることが理解できます。そして、O脚の発症の原因も前傾姿勢からくることがわかります。具体的に行うべきこととして、「腰椎2・3番目」「外旋筋」をゆるめるようにしましょう。確実に、膝の外側の痛みを改善することにつながります。

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