会社員で仕事が続き、身体が衰えてくると、膝の痛みが起こってしまいますよね。あるいは、スポーツ選手が身体を酷使しすぎると膝の痛みが起こってしまったりしてしまいます。
ただ、具体的に膝の痛みを対処するためには、筋肉や関節に目を向けてトレーニングやセルフケアを行わなければいけません。そこで、「膝の皿」に注目し、対処方法を考えることで、膝の痛み解消につながります。
「膝の皿」とは、具体的に「膝の膝蓋骨の柔軟性低下」「関節包の柔軟性低下」を指します。運動不足、加齢によって、関節包の柔軟性が低下し、膝の膝蓋骨の動きが悪くなります。そこで、膝の皿を自由に動かせるようにトレーニングすることで、膝の痛み解消につなげることができます。
ここでは、膝の皿に目を向けて、痛みを解消する方法について解説していきます。
膝の皿が自由に動かせれば、膝の痛みは少なくなる
膝の皿自体には、筋肉はありません。しかし、膝の皿周辺には膝の動きを良くするための必要な材料がそろっています。これらの一つ目は「滑液」です。膝の関節には骨同士の摩擦を抑えるために、関節内に液体があります。これらの液体は膝を動かすことで分泌が促されます。この液体は膝の動きをスムーズに行うために必要な物質です。
しかし、滑液は年齢を重ねると水分量が低下してしまい、関節自体の動きが悪くなる場合があります。膝の痛みを確実に治すために、滑液にも注目してみましょう。そして、膝関節にある滑液は、「関節周辺を自由に動かす」ことで循環が良くなることがわかっています。
滑液は単独で分泌されるわけではありませんが、膝の皿やひざに関係する筋肉(太腿四頭筋(だいたいしとうきん))などを動かすことで、循環が良くなります。すると、膝関節同士の摩擦が抑えられ、痛みが減っていくのです。もし、「骨盤のゆがみ」によって、痛みが生じていない場合、膝の皿や太腿四頭筋を動かすようにし、滑液の循環が良くなるようにしましょう。これによって、膝の痛みを軽減させることができます。
膝の皿を自由に動かすには
まず、自分自身で、それでは、膝の皿を動かすためには、何をしなければいけないでしょうか?そのためには、膝の皿を指圧するポイントを理解し、実践していくことです。
膝の皿周辺で痛いところを確認する
まず、座った状態でどちらか片方の足を伸ばしてください。次に、膝の皿を中心に、さらの上部、下部、左右、斜めと8カ所のポイントに分けます。これらの部位を押してみましょう。
もし、押してみて違和感や痛みがある人は、滑液の循環が滞り、膝関節の動きが悪くなっている可能性があります。以下の手法を参考にし、膝の皿を自由に動かせるようにしましょう。
膝の皿に沿って指圧していく
まず、掌の側面を使って、膝の上部を押していきます。膝の皿と皮膚を切り分けるイメージです。膝の皿状に添って、掌の側面で指圧し、刺激するようにします。
次に、膝の上部から親指で押していきます。このときは、痛みが出ない程度に強めに押します。上部から始まり、皿にそって押していき、最後は下部を押すようにします。
もし、痛い場合は膝の後ろに小さいクッションや巻きタオルを用意してください。床において、その上に膝を乗せて指圧してください。これで痛みは緩和されるはずです。
膝の皿をつかんで動かす
最後に、膝の皿を自分の手でつかみ、上下に動かしてみましょう。人差し指と親指で膝の皿をはさんで、スライドさせます。地道に指圧した後であれば、膝関節が動くことがわかります。
特に、膝の皿上部は積極的に押すようにしてください。
膝の皿を手のひらの側面、親指で指圧するときは「できるだけ上部」を積極的に押すようにしてください。
なぜなら、私が実際に指圧し、お客さんの膝の痛みが改善された事例からして、「膝の皿の上部」を強く押すのが、効率よく膝の皿が自由に動くようになるからです。
ここに関しての根拠はわかりませんが、実際に多くの人の膝を触ってきた経験からすると、膝の動きが悪い人は膝の上部に「何か」がたまっているイメージがあります。膝の上部を指圧すると、何か膨らんだ感触があり、押した感じが硬いです。何回か指圧するとその硬い感じが減ってきて、徐々に膝の皿自体が柔軟に動くようになります。
反対に、膝の皿の側面部も何回も指圧して柔らかい感じはでてきます。しかし、私が指圧してきた経験からすると、膝の上部を積極的に押すと膝の皿が柔軟に動きやすいです。ぜひ、お試しください。
はじめは痛くない程度に膝の上部を押します。ある程度指圧し、膝関節自体が柔らかくなってきたと感じたら、脚を曲げ伸ばししたり、回してみたりましょう。膝周りがスッキリし、楽になることがわかります。
膝の裏側を指圧する
もし、膝の皿がそれでも自由に動かない場合、膝の裏側も積極的に指圧してみてください。膝の裏側を押すと痛気持ちいい刺激があるのがわかります。
実際に、この指圧を行うことで、膝のだるい感じや、膝の痛み自体が軽減されたお客さんもたくさんいます。私が膝の治療を行うときは、必ずこの指圧をさせるようにします。膝の裏側を時間をかけて指圧し、再度人差し指と親指をはさんで膝の皿を動かしてみてください。すると、膝の皿が動きやすくなったのが体感できると思います。
もしも体感できない場合は、別の誰かに頼んで押してもらうようにしましょう。自分で行う場合、押している最中に力が入ってしまい、膝周りの筋肉に力が入ってしまう可能性があります。すると、圧が膝関節の奥まで入らないため、効果が半減してしまいます。こうした欠点を解消するためには、パートナーに押してもらうようにします。
医学的に「軟骨形成」の促進も可能
そして、膝周辺を動かすことは、膝関節自体に起こる炎症を抑えることができていることが医療機関より報告を受けています。
順天堂大学東京高等高齢者医療センター整形外科の黒沢尚教授は、外傷以外の膝関節の炎症の原因や対策方法について解説しました。それによると、以下のことがわかりました。
膝の痛みがある患者数:全国で約780万人(ROADプロジェクトの研究結果)いるとされています。そのうえでの具体的な症状名、原因、その対策を次の
外傷以外の膝関節の痛み:変形性関節症(へんけいせいかんせつしょう)が原因となることが多い
原因:運動不足、脚の筋力が弱い、運動不足
対策:足関節を軽く動かす
上記した医療センターの研究報告によると、「イスに座って片足ずつゆっくり動かす」という体操から治療を始めるそうです。このように、軽い膝の運動を行うことで、太もも周辺の筋肉の血流が促進され、結果として滑液の循環が良くなります。すると、滑液を通じて軟骨、関節を覆う袋の膜に栄養が行きやすくなり、炎症が少なくなることがわかりました。
(この機構自体に具体的な証拠があるのかは不明です。しかし、黒沢教授の運動療法によって、改善された患者の経験は事実として)
まず、滑液がすり減ると膝の軟骨自体がすり減ります。すると、摩擦によって起こった粉が滑膜(関節を覆う袋の膜)に刺激が起こることで炎症が起こります。この痛みは関節を覆う袋をキレイに素通りに再生させることでなくすことができます。
そのためには、滑膜に栄養がきちんと届くように「滑液」を循環させる必要があります。この循環促進のためには、一定範囲内で膝周辺の西郷に力をかける必要があります。その作用を続けていくと、炎症の広がりを抑えられると解説しています。
よく、膝の痛みを抑えるサプリ、薬のCMでは、「加齢が重なると膝の軟骨が年々すり減って……」と解説しています。このCMのように「加齢」「年々」という言葉が付け加わると、あたかも「膝の軟骨のすり減る現象は抑えられない」という風に思いたくなってしまいます。
しかし、そのような悩みは日々の運動を続けることで、改善できることをこの研究は説明しています。
このように、膝の皿を自由に動かすことによって、膝の違和感や痛みから解放