疲労の本質的改善のために「自己免疫疾患」を学ぶ

「最近疲れやすくなった……」「だるさがとれない……」と考えることはないでしょうか?年齢を重ねていくと、知らず知らずに若いころのような元気がなくなった実感は誰もが持つものです。

現代では、身体にストレスがかかる要因が数多くあります。仕事をしている人や主婦であっても、精神的な疲れも日常生活のストレスからきています。そうした疲れがとれない状態が続くと、普段の生活だけでなく、家事や仕事にも大きく影響を与えます。

そのため、疲れを取るために身体の仕組みや対処法を勉強する必要があります。まず、慢性疲労に悩まれている場合、改善に向かう第一ステップとして「症状の本質的原因」を把握することが大切です。

かつて、「疲れ」といわれると、原因は、「仕事のしすぎ」「運動のしすぎ」と「過労」のようにとらえられてきました。しかし、昔いわれていた疲労と現在の疲労では原因や解決方法も異なります。そのため、あなたが本気で身体を改善したいと考えるのであれば、「疲れ」の本質的原因について学ぶ必要があります。

今回は、疲労の本質的原因について解説していきます。

「疲れ」の原因をまとめる

あなたは疲れがどのように来るかご存んじでしょうか?疲れと言われたとしても、その原因は様々あります。ここでは、現段階で疲労の原因について以下にまとめます。

例えば、運動を続けると筋肉が疲労します。これは、筋肉に疲れ物質を生み出す元である「活性酸素」が多く集まることで起こります。

活性酸素とは、生体内に含まれる「酸素」の内、反応性の高い酸素を指します。通常であれば、活性酸素は毒素やがん細胞を攻撃する役割を持っています。しかし、活性酸素の副作用の中で、正常細胞にも攻撃する役割を持っています。このように、正常な細胞に攻撃を受けると、人は疲労感を抱きます。

デスクワーク中心で常に作業をしている人であれば、肩や頭が重い感じを持ちます。これは、脳に活性酸素が多く集まり、疲弊している状態を指します。さらに、主婦で家事をしている人であったとしても、だるさや取れない感覚があります。これは、内臓(肝臓や腎臓など)の機能が低下することで生じます。

つまり、疲労の起きる原因は、活性酸素の過剰発生であることがわかります。そして、活性酸素は筋肉や脳に集まります。身体の疲れには、私たちの体内にある活性酸素が関係していることをまず理解しましょう。

活性酸素の発生する機構:自己免疫疾患

では?活性酸素はどのように発生するのでしょうか。このときに重要なキーワードとなるのが「自己免疫疾患」です。自己免疫疾患とは、自分自身の内部にある毒素を排除するための組織が過剰に働くことで、正常細胞が破壊されることを指します。

少し、わかりにくいのでたとえを出します。例えば、部屋の中に泥棒が3人、泥棒と関係ない一般人が3人いたとします。あなたが3人の泥棒をやっつけるために、銃を用意して、部屋で発砲したとします。すると、泥棒だけでなく、関係のない3人の方も死んでしまいます。

身体において、健康状態を保つためには「正常な細胞を残しつつ、悪い細胞を排除する」ことが重要です。しかし、現代人は、体内で自己免疫疾患が起こることで、正常な細胞も同時に死滅させています。

かつて、身体の疲労の原因は「仕事のしすぎ」「運動のしすぎ」といわれていました。そのため、睡眠をとって、疲れをとることで、疲労感をなくすことができました。しかし、今は何日寝てもだるさがとれない、仕事量をおさえても疲労感がなくならないといった症状に悩まされている方がいます。なぜ、現代の「疲労」は休息をとっても治らないのでしょうか。

疲労が改善されない一つの原因として、「自己免疫疾患」が起こりすぎている体質にあります。自己免疫疾患とは、睡眠をとるとらないにかかわらず、あなたの体内で起こります。若いときは仕事や運動にもスタミナがあったのにも関わらず、年齢を重ねると体力が減っていきます。

その原因として、体力が下がったのではなく、あなたの免疫機能が過剰に働きすぎてしまい、正常な細胞を必要以上に破壊させていることに原因があります。

自己免疫疾患はなぜ起こるのか?

では、自己免疫疾患はなぜ起こるのでしょうか?これには、人が疲労やストレスがかかったときに、生体機能を制御する三つのシステムを理解する必要があります。

生体機能は大きく「自律神経系」「内分泌系」「免疫系」に分かれます。少し言葉が難しいですが、これら三つの役割は「体の機能を平静に保つ」「各内臓に栄養分をきちんと運ぶ」「毒素を排除する」と理解しておいてください。

役割 関係する要素 関係する部位
自律神経系 身体の機能を平静に保つ 交感神経、副交感神経 脳の後ろ側(脳幹部)
内分泌系 ホルモンによって、生体機能を調節する 副腎ホルモン、性ホルモン、甲状腺ホルモン 副腎、甲状腺、卵巣
免疫系 体内毒素を排除する 白血球、マクロファージ 腸、血管内

仕事や運動で体力を使うとき、血流を促して、筋肉や内臓に大量の栄養分を送らなければいけません。そこで、自律神経の一つである交感神経が強く働き、血管が収縮します。これによって、栄養分を効率よく細胞に送ることができ、仕事や運動をこなすことができます。外界から体にストレスがかかると、血圧や心拍数が変化します。このような変化は、体内の自律神経系によって調節されます。

自律神経には、交感神経と副交感神経の二種類が存在し、互いの神経が相反した役目を持ち、働いています。二つの神経が働くことで、血流が改善され、栄養分の運搬や老廃物の除去作用が行われます。しかし、仕事や運動で過度な頑張りが続くと、交感神経が強く働きすぎてしまいます。すると、自律神経系が疲労し、二つの神経が適切に働かなくなります。

これによって、生体機能の調節が効かなくなります。次に、内分泌系から発生するホルモンによって、身体にかかったストレスに対抗します。具体的には、喉周辺にある「甲状腺」、肋骨と骨盤の間にある「副腎」から、ストレスに対抗するホルモンが発生します。これでもストレスに対抗することができますが、それでも過剰なストレスがかかりすぎると、内分泌系によるストレスの対抗も効かなくなります。

そして、最後に免疫系によって、ストレスに対抗しようとします。この際に働くのが、血液中に含まれる白血球やマクロファージです。ストレスによって、体内に毒素が発生すると、白血球とマクロファージによって取り込まれ、毒素は死滅します。しかし、毒素が死滅する際に、白血球も同時に死滅し、その際に活性酸素が発生します。

毒素の除去のために、過剰に発生した免疫系によって、大量の活性酸素が生産されます。このように、免疫系が過剰に働きすぎてしまう原因として、自律神経系が弱り、内分泌系の働きが低下することがあることを理解しましょう。

現代人は自律神経系が疲れやすい環境にある

疲労の原因として、「免疫系」が過剰に働きすぎてしまうことを説明しました。免疫が過剰に働く「自己免疫疾患」による疲労は一日睡眠を多くとっただけでは改善されません。このような、疲労の発生する機構は昔はなく、現代になって多くなってきたといえます。

現代は、情報化社会に伴い、過度なストレスがかかる機会が多いです。人間関係、仕事、あらゆる場面でストレスがかかる機会が多く、体は疲弊してしまっています。特に、「脳」の疲労が多く、自律神経系が疲労しやすい環境になっていることは間違いありません。

統計的に、現代人は広告、インターネット、PCを含め、1年間で約2、9億枚分のDVDの情報量を閲覧しているといわれています。これによって、眼の神経が過度に働きすぎてしまい、脳が疲労します。すると、ストレスがかかったときに、対抗する方法はホルモンを過剰に生産し、内分泌系を働かせるか、免疫系を活動させるかしかなくなります。

月日を重ね、ホルモンを出し続けると、副腎や甲状腺が疲労し、自己免疫疾患が強く働きすぎてしまいます。そのため、本質的に疲労を改善するためには、「睡眠をとる」「サプリメントをとる」といった方法では改善できないと考えるようにしましょう。

それよりも、本質的に疲労を改善するためには、内分泌系や自律神経系の働きを高めることが大切であると理解してください。そのためには、睡眠やサプリメントを摂取することも大切ですが、身体の仕組みを学び、内分泌系、自律神経系を高めることにも視野を入れるようにしてください。

自律神経系、内分泌系の働きを高める具体的手法

そして、自律神経系、内分泌系の働きを高めるには何を行えばよいでしょうか。詳しい話は別の記事で述べていきますが、ここでは、大切となる三つの考え方を述べていきます。

日々の姿勢

普段、あなたはどのような姿勢で立ったり座ったりしていますか?もし、猫背や反り腰になっている場合、疲労の本質的な改善になりません。身体の使い方や姿勢の取り方を学び、疲労になりにくい姿勢を構築するようにしましょう。

日々の姿勢を改善するだけで、背骨から内臓に流れる血液量が増加し、「体力の向上」「疲れの改善」「身体の症状緩和」につなげることができます。実際に、私は健康指導を行っている方に、日々の姿勢を改善する具体的手法をお伝えしたところ、頭痛、ふくらはぎ痛、腰痛といった症状を自身で改善された方がいます。

筋肉をゆるめる

生体内の機能を調節しているのは「内臓」です。内臓がきちんと働き、消化機能や排泄機能がきちんと行われることで、体内の毒素を適切に排除したり、神経の働きを調節することができます。その際に、内臓には栄養分を送られるように神経や血管が通っています。その周辺には筋肉が存在しています。

もし、内臓周辺の筋肉に凝りが生じている場合、その周りにある内臓や血管につまりが生じます。すると、栄養分が内臓に送り込まれなくなり、内臓機能が低下します。内臓機能が低下することで、ストレスに対抗するホルモンの生産量や生体機能の調節に悪影響が起こります。そのため、日々、筋肉をゆるめるように心がけるようにしてください。

栄養に目を向ける

最後に、自律神経の「神経」や内分泌系から発生する「ホルモン」は体外から取り入れられる栄養によって作られます。もしも、体外から取り出される栄養の質が悪ければ、作られるホルモンの質が低下し、生体機能の調節にうまく働きかけることができません。すると、疲労しやすくなります。

例えば、慢性疲労に陥りやすい人の場合、白い食べ物(ごはん、うどん、パン)がその原因になっている可能性があります。こうした摂取してはいけない栄養素をきちんと理解し、栄養価の高い食事を心がけることで、日々作られるホルモンや細胞の質が向上します。疲労に強くなるために、日々の栄養摂取を変えるようにしてください。

まとめ

以上の内容をまとめると

・本質的な疲労の原因は「自己免疫疾患」にある

・自律神経系、内分泌系の働きが低下することで、免疫系が過剰に働きすぎてしまう

・疲労の本質的改善法は「姿勢を改善する」「内臓に関係する筋肉をゆるめる」「栄養摂取を変える」ことが挙げられます

これらの内容をもとに、本質的に疲労を改善するようにしてください。疲労をなくし、体力が向上することで、仕事やスポーツにおけるパフォーマンス向上につながります。

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