首の負担が3倍軽減される肩甲骨の使い方

なぜか緊張しやすい、不安が消えない…その原因は「首」にあるかもしれません

 

会議中、なんとなく落ち着かない。人前に立つと頭が真っ白になる。特に理由もないのに、漠然とした不安を感じる——。

このような問題が発生したらまず

首の後ろを伸ばす

ように意識しましょう。

首の後ろが緊張すると、興奮時に働く交感神経が過剰、快か不快か反応する時に働く扁桃体など、恐怖を感じる時に働く器官が過剰に働いてしまいます。

不安や恐怖心が生まれやすい身体の状態を作り出しているとも言えます。

その首の後ろの筋肉の負担を3倍緩める画期的な方法があります。それが肩甲骨下部を和らげることです

首が前に出る「本当の原因」は首ではなかった

私たち弓道家は弓を構える時に、

肩甲骨下部を中に入れることで、集中力を高めることを実践します。

肩甲骨下部の位置を確認してみよう

まず、自分の身体で確認してみましょう。みぞおちに手を当てて、そこから横にスライドしてください。背中側にぶつかるところ——それが肩甲骨の下部です。

この部分が硬くなると、どうなるか。試しにここをギュッと固めた状態で立ってみてください。自然と首が前に出てしまいませんか?

私たちの身体には「動きやすい部分」と「動きにくい部分」があります。

肩甲骨周辺は元々動きにくい構造になっているため、ここが硬くなると、代わりに動きやすい首や腰が過剰に動いてしまうのです。

首・腰は動くのに、肩甲骨は動かない

実際に試してみてください。首を前に出す——簡単ですよね。腰を前に出す——これも簡単です。では、みぞおちの高さで背骨を前に出してみてください。

……かなり難しいはずです。

この「肩甲骨周辺が動かない」という身体の特徴が、首への負担を増やし、緊張や不安を生み出す姿勢の崩れにつながっているのです。

肩を緩めると逆に肩甲骨が硬くなる

よくある間違いは、「肩を真下にストンと落とす」こと。腕を上げてから真下に肩を下ろすと、横に開く力が失われてしまいます。

弓道の正面打ち起こしでは、骨盤からグッと引き上げて、横に開く力を最後まで維持することが求められます。肩を真下に落としてしまうと、この「横に伸びる力」が途切れてしまうのです。

ですのでこのようにしてください。骨盤を引き上げる→自然と胸の筋肉を左右に広げやすくなる→肩も後ろにひかれる→肩を下に下す

このように、身体を左右方向に伸ばしている時に肩を下げることで、肩甲骨下部を柔らかくすることができます。

正しい肩の下げ方

正解は、「肘を後ろに引きながら肩を下げる」こと。こうすることで、横に開く力を保ったまま、自然と肩甲骨が正しい位置に収まります。

日常で実践できる「大の字フルネス」

では、弓道をしていない私たちが日常でできることは何でしょうか。ここでおすすめしたいのが「大の字フルネス」です。

大の字フルネスのやり方

①両腕を横に広げます(大の字のイメージ)

②横に広げながら、骨盤をグッと引き上げる意識を持ちます

③肋骨を中に入れるように意識しながら、上にも伸びていきます

④その状態で、みぞおちの奥(肩甲骨下部)を動かしてみてください

横に伸びている最中は、上にも伸びやすくなります。この状態で初めて、普段は動かない肩甲骨下部を動かすことができるのです。

もう一つ方法があります。腕を組んで肩甲骨下部を伸ばす体操法です。

1.壁にお尻をつけて両足を壁から二足分程度離す

2.両腕を後ろで組む

3.両腕を伸ばして上半身を丸くするように伸ばす

こうすることで、肩甲骨下部を伸ばすことができます。

最初に、肋骨が前に出た状態では、いくら肩甲骨を動かそうとしても動きません。

大の字に伸びることで、骨盤が引き上がり、肋骨が正しい位置に収まり、初めて肩甲骨下部にアプローチできる身体の状態が作られるのです。

まとめ:立ち方を変えれば、心は軽くなる

今回お伝えしたポイントをまとめます。

・首が前に出る原因は、首ではなく「肩甲骨の下部」の硬さ
・肩甲骨周辺は動きにくいため、首や腰に負担がかかりやすい
・弓道では肘を後ろに引きながら肩を下げることで、横に開く力を維持する
・「大の字フルネス」で骨盤を引き上げ、肩甲骨下部を動かせる状態を作る

不安や緊張は、性格の問題ではありません。身体の使い方、姿勢によって作られてきた反応なのです。

今日から「大の字フルネス」を試してみてください。たった数秒、両腕を広げて伸びるだけで、あなたの首は楽になり、呼吸は深くなり、心は軽くなっていくはずです。

もう怖くない。立ち方だけで、あなたの心は変わります。